タスカジ代表・和田が、タスカジのこれまでと、まさに今みなさんと取り組んでいることについてお話する連載の第3回目です。2020年12月に発表した「タスカジSDGs宣言」をご紹介します。
ジェンダー平等と働き方ーー「タスカジSDGs宣言」
ミッションを策定した昨年、同じく年末に「タスカジSDGs宣言」を発表しました。主にはゴール5「ジェンダー平等の実現」と、ゴール8「働きがいも 経済成長も」を重点的なテーマに据えて、具体的にタスカジ社がどのように貢献できるかとその指標を整理しました。
このような宣言を出したのは、まさにゴール5や8で目指すことが、もともと私たちも「これからつくりたい社会」としてずっと大事にしてきたことだからです。たとえばタスカジではキーカラーをグリーンにしていますが、これはジェンダーを意識させない色として選んでいます。当時も、今もまだ家事の負担は女性に偏りがちですが、本来は男性も同じくらい家事に参加してしかるべき。男性の利用者も増えてほしいし、男性タスカジさんも増えるようにと考えて、あえてピンクや赤は避けました。
また、家事代行サービスの存在が、女性がリーダー職に就くことの後押しになっていることがアンケートから確かめられています。私自身、起業するときに「子どもも小さいのに起業して大丈夫だろうか」と躊躇しましたが、タスカジさんの手を借りながら今まで経営を続けてこられました。家事代行サービスと女性のリーダー職との関係ももっと世の中に知ってもらえたらと思っています。
タスカジSDGs宣言。詳細はこちら
ゴール8は、タスカジさんの働き方にフォーカスしています。タスカジさんは基本的に個人事業主、フリーランスの方が中心ですが、フリーランスという働き方は成長の機会を得ることが難しいと、この事業を始めてみて気づきました。会社員の場合、組織における人材育成のプログラムや、日常的に先輩や上司から学びを得ることができます。でも、フリーランスで仲間と会わないような仕事の形態ですと、よほど自分で意識しなければ、成長機会を持ちにくいのです。
もともと、「家事を請け負ってくれる便利なサービス」としてタスカジを立ち上げたわけではありません。私が得られた、第2の家族のような安心感、家事のパートナーという心強さを提供できたらと考えていました。そして、そのパートナーとなる方々には「タスカジというプラットフォームにかかわってよかった」「ここで活動することで成長できる」と感じてほしい。そのための仕組みを整えれば、依頼者さんとタスカジさんとの間にきっと良い関係が築かれて、プラットフォームが魅力的なものになっていくと思ったのです。
なので、タスカジさんが成長できる仕組みは、早くから構想して整えていました。主には、オンラインで日々のコミュニケーションをとれる「タスカジトーク」、家事の知識を学べる「タスカジゼミ」、そして年に1回の「タスカジさんフェス」の3つを展開しています。
タスカジさんフェス2021の様子
タスカジトーク内でタスカジさん同志のコミュニケーションの潤滑油となる役割を持つコミュニティマネージャーや、タスカジゼミの講師には、現役のタスカジさんに担当いただいています。各ご家庭での家事代行の仕事をしながら、こうして「プラットフォームを良くする仕事」にも主体的にかかわって、自身の価値を発揮してくださっています。こうした活動を「楽しい」「自分も刺激になる、成長できる」と言っていただけるのは、本当にありがたいことだと思っていますし、私たちも成長させてもらっています。タスカジさん同士のコミュニティが、タスカジさんのお仕事や人生においてもプラスの影響をもたらせるように、常に考えています。
2021年12月の調査レポート『家庭内(ジェンダー間)の家事ギャップと
家事代行利用の実態調査』。詳細はこちら。
『自由な選択で自分らしく生きる』
第1回:家事は家の中だけで閉じなくていい 「拡大家族」という新しい形
第2回:新しい家事文化を生み出しながら成長できるプラットフォームへ
第3回:家事代行が貢献できる社会課題 ータスカジが考えるSDGsー
第4回:新しい家事文化をつくり、その知見を広げる依頼者さん、タスカジさんとともに目指す世界
株式会社タスカジの代表取締役。国内大手ITベンダーに入社。その後MBA(経営学修士)を取得。2013年に共働きの家庭における新しいライフスタイルを実現するため、起業。2014年に家事代行マッチングサービス「タスカジ」を開始し、2017年に日経BP社 日経DUAL「家事代行サービス企業ランキング」1位、「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018働き方改革サポート賞」を獲得。
多くの人が自分らしく生きる時間を増やせる社会を実現するため、一般家庭でも気軽に質の高い家事代行を利用できる仕組みを作るという想いで「タスカジ」を立ち上げた。