ホーム > 家事の仕事 > ますます家事代行が求められる時代へこれからのタスカジさんの働き方とは〜タスカジさんフェス2024イベントレポート〜

ますます家事代行が求められる時代へこれからのタスカジさんの働き方とは〜タスカジさんフェス2024イベントレポート〜

このレポートは2024年10月に開催された「タスカジさんフェス2024」内のコンテンツ「タスカジさんパネルディスカッション〜タスカジ10周年を迎えて〜ますます家事代行が求められる時代へタスカジさんとしてのこの先の働き方を考えよう」の内容をまとめたものです。

今回はタスカジさん(=タスカジで活動するハウスキーパー)として活躍中の3名の方と一緒に、これまでの仕事を振り返り、家事代行のニーズの変化やそれにどのように向き合い対応していくかといった、タスカジさんとしてお仕事される方にとっては必聴のお話をたくさんしていただきました。

これから家事代行の仕事を始める方やタスカジさんとして働くことを検討している方は、ぜひご参考になれば幸いです。

登壇者紹介

すずきよさん:料理タスカジさん、タスカジゼミ講師
みけままさん:掃除タスカジさん、タスカジゼミ講師
ハルさん:整理収納タスカジさん、タスカジさんアワード2023 MVP

【司会】タスカジ事務局

※以降、敬称略

ハウスキーパー・家事代行スタッフになる

司会:タスカジがサービスインしてから10周年を迎えました。この10年で共働き世帯数がますます増加し、家事代行が求められる時代になっていることを実感しています。日々、様々なご家庭の需要に応えるべく真摯にお仕事をされている全タスカジさんを代表していろいろなお話をしていただけたらと思っています。

今日ご登壇いただく3名の方をご紹介します。

タスカジの初期の頃からずっと第一線でご活躍いただいているタスカジゼミ講師でもおなじみの「すずきよさん」「みけままさん」。

加えて昨年度のタスカジさんアワードでMVPを受賞された「ハルさん」、順に自己紹介をお願いします。

すずきよ:料理・作り置きで活動しているすずきよです。タスカジ歴9年半で月35件ペースで働いています。趣味は音楽。実は昨日もゴスペルコンサートがあり、20曲歌ってきてテンション上がりきったまま参りました。よろしくお願いします!

みけまま:掃除専門でタスカジ歴は8年目のみけままです。前職からの家事代行歴通算23年になります。タスカジでは今月に入って3000レビューを超え、私も月30~35枠ぐらいのペースでお仕事をさせていただいています。

実は去年に還暦になりまして、ちょっとショックなんですが、買い物などに行くと「シニア特典」みたいなのが使えるので、ちょっとラッキーと思いながら過ごしております(笑)

ハル:ハルと申します。整理収納中心に活動していまして、月のご依頼は約20件前後です。私は猫が大好きなのですが、タスカジさんになって猫のいるお家にご依頼いただくことも増え、いろんな猫ちゃんに会えることがご褒美になっています。

とても楽しく活動してます。今日はよろしくお願いいたします。

司会:早速ですが、前回のフェスから1年たち、久々に皆さん一同に会しました。この1年間や直近で依頼内容にどのような変化があったか、依頼者さんの取り巻く環境が変わったりしたことがあればお話ください。

2024年は”出社回帰”による家事代行ニーズが急増

すずきよ:近頃は依頼者さんが非常に忙しくなったんじゃないかなというのを感じています。コロナ禍真っ最中は在宅ワークの方が多かったのですが、最近は出社回帰となり、出社で家を不在にされている方が増えているなと思います。

それに伴い、帰りが遅くなり、結果家事が回らなくなったという方がより増えたように感じています。

また、これまで多かった産前産後の料理のご依頼も変わらず一定数ありますが、その背景にも変化を感じています。以前はコロナ禍でご実家の方が来られない、依頼者さんも頼れないというケースが多かったのですが、最近ではご実家の方も仕事を忙しくされている。
頼る人がおらずに困って私達に依頼するという方が多くなったような気がしています。

みけまま:私も同感ですね。依頼者様でテレワーク中心だった方が、出勤する回数が増えて、結局家事がままならない状況になりつつあって。ご夫婦ともに忙しく、特に女性の方がワンオペでまた家事を回しているっていう事を実感しています。

ハル:依頼者さんがすごく忙しくなったケース、私も実感していますね。
私の場合は長く定期を継続している方も多いのですが、ここ数年の間にお子さんが成長して手が離れてきて、その分は仕事に少しギアを入れようかなって思っている方が増えたなと思います。

パートナーも会社の中で重要な地位に就いておられ、2人とも忙しくなり、想像以上に家事が回らなくなって、日々のリセットさえままならなくなってしまった、というところで「助けてほしい」というかたちでご依頼回数が増えました。

もう分単位で日々を回されているので、ちょっと何かが掛け違えると、なんか嵐の中に放り込まれたみたいな状況になっちゃう。

それをどうやったら防げるか。次のご依頼までにご家族がストレスなく暮らしを回していけるようにどんなサポートが必要かっていうのをすごく考えるようになりました。

司会:なるほど。コロナ禍後の生活環境が変わって忙しくなられてる方が多いということがみなさん共通して起こっている。さらには長年サポートしているご家庭だと、お子様が成長されてライフステージが変わった事による多忙さもあるのですね。

そんな中で、家事代行のサポート中は、具体的にはどのような工夫をされていますか?

多忙な依頼者へのお声がけやコミュニケーションの工夫は?

ハル:お声がけする際には、ポジティブ変換をすることを心がけています。

依頼者さんが忙しさのあまり家事が回せていないことでご自身を責めてしまわれないよう、お声がけやコミュニケーションに気をつけています。

整理収納のご依頼では「片付けができない」ことに対してご自分をとても責めてしまわれる方が多くいます。中には、ご家族ともギクシャクしてしまい自己肯定感が下がってしまわれている方もいるので、まずはそういう気持ちを少し和らげていただくよう心がけていますね。

表情が硬い方もいらっしゃるので、あえて「そういう方たちにつけこんでお仕事いただいて稼いでる私達はすごく罪深いんですよ」なんてことを言って、ちょっと笑っていただいて。

ほぐれたところで本音を聞き出していく、ということを心がけてます。

みけまま:あれですね、ハルさんの透明感のある綺麗な声でお話をされると、もう誰でもみんな癒されるなという気がしたので、素敵だなと思います。
私、声の素敵な方が本当に羨ましい。

ハル:ありがとうございます(笑)

すずきよ:みけままさんも素敵ですよ。

みけまま:いえいえ(笑)

みけまま:私の話になりますけど、お掃除は定期依頼が非常に多いんですね。やはり定期依頼の場合は訪問が慣れているので、作業の身支度や準備をしながら「今日はここが荒れている」「最近はここのお掃除を全然やれてない」といった、そのタイミングでのニーズを確認をして、優先順位を決めていくっていうことに尽きるかなと思ってます。

スポット依頼の場合も、とにかく「今日は何をしてもらいたいか」をしっかりヒアリングすること。そこがぶれてしまうと、やっぱり結果がついてこないということを実感しています。

先日のスポットのご依頼でも、「キッチンの掃除だけでいい」とは言われたもののやはり水回りにどうしても手を出したくなるのが性分で、そうできるように進めていたのですが、結局終えられそうにないことわかり。

「すみません、やはりキッチンだけになってしまいそうですね。」とお伝えしたら、「もう今日は全然それでOKです!」というご要望の再確認ができたということがありました。

やっぱり「依頼者さんが求めていることからブレない」ことが大事だなと改めて実感した出来事です。

司会:依頼者さんの希望すること一番に対応するのは基本の基本ですよね。

すずきよ:私の場合は、なるべく事前のやり取りも少なくして、当日もお話する時間をなるべく短くするように配慮しています。お忙しい方が多いので。

リピーターの方などは、訪問するとメモがポンと置いてあったりするのでそこでもうやり取りが完結している。「よろしくお願いします」っていう感じの簡単な挨拶を行ってからすぐ仕事をはじめ、帰りも「ありがとうございました!」と、最低限の会話だけで済ませるように私はしていますね。

司会:その「最低限にする」っていうのはどの程度かが気になるところです。簡潔さは必要だけど、丁寧さを損なわないようにするバランスを聞いてみたいです。

すずきよ:「タスカジゼミ」というタスカジさん向けの講座の中でも、「メッセージのやり取りは3回ぐらいに収めましょう」と言っているんですが、

例えば事前のヒアリングメッセージなどでは、必要最低限の質問を箇条書きで書いて、それに答えていただいて、さらに答えるみたいな感じです。
あとは「数品リクエストください、あとはおまかせでいいですか?」といった感じで対応しています。

みけまま:箇条書きで質問を聞いて、相手もわかりやすく答えられるように投げるっていうのは相手視点があっていいですね。

ハル:整理収納の仕事でも、”依頼者さんの負担を軽くする”ことは意識しています。もう日々を回すことにいっぱいいっぱいな方が多いので、何をどう改善したいのか言語化することすら負担になってしまう方も多いようです。

私も事前のコミュニケーションは、先方から求めてこない限りはあまりしないようにしています。

また、当日に「何が嫌かを教えてください」「何に困ってるのか教えてください」と軽く確認しておき、その後作業が進み、打ち解けてきたタイミングでのコミュニケーションで本当のストレスの元を引き出せるといいなと思ってます。

すずきよ:何を求めているか察するという能力もタスカジさんとして大事ですよね。

ハル:ですね。でも、いきなり最初の5件や10件ではできなくて。
やっぱり場数をたくさん踏んで、依頼者さんに育てていただいて、徐々に形になってきたかなと思っています。

司会:場数もあっての最適量が見極められていくのですね。

皆さんの話に共通している事は「依頼者さんの立場に立って考え、負担を減らすにはどうしたらいいかを考えている」「何を求めているか察して行動する」ということですね。

今後の家事代行の仕事に求められることとは?

司会:ここ1年間や最近はどうかという振り返りのお話をしていただきました。

今後、出社回帰が続き依頼者さんがより忙しくなられて、家事代行のニーズの高まりを感じていますが、引き続きタスカジさんのお仕事を続けていくにあたって、皆さんには、この先どんな取り組み方をしていきたいですか?お仕事で大切にしている心のあり方のところもお聞きしてみたいと思います。

すずきよ:今までもそうですし、これからもずっとなのですが、依頼者さんのご希望をいかに汲み取るかということに尽きるかなと思います。

依頼者さんのご家庭もその都度形態が変わったり、望まれることもどんどん変わると思うんですけれども、訪問時の会話の中や事前のメッセージの中から何を望まれてるのかなっていうのを察知すること。

さらには、そのやり取りもなるべく最小限しつつも、ご希望に沿うようなお料理を作って家族の健康をサポートしていけたらいいなと思っています。

ハル:そうですね、私はそんなに志の高いことは考えていないのですが(笑)、健康第一でいきたいなとは思っています。

私は今年の2月に腰椎椎間板ヘルニアをやりまして。腰はわりと早く治ったんですけど、その後に足の激痛で動けなくなり、2ヶ月半休業したんです。

歩けないので、そもそも依頼者さんのところに行けない。定期の依頼者さん方にはものすごくご迷惑おかけしたにも関わらず、それでも皆さん待っててくださったんですね、ありがたいことに。もうこの方たちに迷惑は2度とかけないぞと思いました。

運動が好きではないんですが、ヨガがいいよって教えてもらったので、ヨガをやろうと、3ヶ月ぐらい言い続けてます。そろそろですよね。このまま1年たたないように今ここで宣言しておきます(笑)

すずきよ:体が資本なのは本当にそう思いますね。

私も以前腰椎すべり症になり、手先が痺れる状態が半年以上続いてたんですけども、それをきっかけに整形外科や整体に行くようになってようやく最近しびれがなくなりました。やはり仕事中の姿勢の悪さがあったので、仕事中は腰椎コルセットをして、ビシッとやるようにしてます。

ハル:料理ですと前かがみになりますもんね。

すずきよ:前かがみになったおかげで、首が詰まっていたので、それをピッと伸ばしたら痛みがなくなりました。整体の方にバキバキやっていただいて、伸びました(笑)

みけまま:もう、同感です!体力と体を大事にしていくっていうのは一番大事かなと思っています。

みけまま:追加すると、私はやはり「ご縁」というのも大切にしたいなと思っています。

タスカジを始めたばかりから続いている定期依頼のご縁ももちろんなんですけれど、スポットのご縁もどんどん増やしていけたらなと思ってるんです。

定期は長年サポートしているので、お子さんの成長を見ながら仕事をしていくことにすごいやりがいを感じますが、スポットは最初はドキドキして伺うんですけど、フィーリングが合ってくると、依頼者さんも本音でいろんな話をしてくださる過程があるんですよね。

今のお子さんの状況だとか、プライベートでこの前こんなことがあってとか。そういうお話を聞かせていただけると、これまでのお仕事を通して私も信頼されているんだなという励みになっています。

こういう感覚ってすごくいいなって、これ定期の依頼だとなかなか味わえない感覚なんです。私の定期依頼は留守宅がほとんどなので・・・。

助けを求めている他のたくさんの方々の1件でもお応えできればなっていう気持ちがすごく強いです。

司会:今もなお進化をし続けて新しい依頼を獲得しているっていうところはすごいですね!

みけまま:実は「やっと予約が取れました」って言ってくださる方もいらっしゃり、枠はたくさんあけられないんですけどそんな中でもご縁は増やしていきたいと思ってます!

司会:定期依頼を受けて長くサポートすることと、新しい依頼者さんとのご縁を作っていくということ、どちらもとても大事ですね。
新しい依頼者さんのお宅へ訪問するのは、ベテランのみなさんでも緊張されますか?

すずきよ:何年たってもですよね。最初の初めましてご挨拶からドキドキしますね。最初の第一印象も大事だなと気をつけています。

ハル:そうですね、あと私は定期とスポットのリピーターの方が殆どなんですけれども、全く初めましての方が月に1件2件たまにご依頼くださって。

初めてのときに踏む手順ってありますよね。ご挨拶や自己紹介のメッセージを送る、お宅の状態を確認すること、ご用意していただくもののご説明をする、など。それが定期やスポットリピーターのお客さんだともうすっ飛ばしちゃってるんです、お互いわかってるので。

なんですけど、そこを一つひとつ丁寧にやってくことで原点に返るというか、慣れて流れ作業になってしまっているところを丁寧にやることで、思い出すものがあるなっていうふうに思っています。とても大事かなと。

みけまま:初心に帰れるって感じありますね。

ハル:そうですね。フレッシュな気持ちでですね。

司会:ベテランのみなさんでも、新しいご縁にフレッシュな気分や初心を思い出す気持ちを感じられているのですね。

すずきよ:定期の方は安心感はいつもありますよね。あとは家族の成長とかを見守れるので、何かいろんなところに親戚がいるような、いろんなところに家族が増えたみたいだっていう。

新しい依頼者さんと定期の方と、感じることはそれぞれ違うけれども、いつでも幸せにする私達みたいな、そんな気持ちでいたいなと思ってます。

みけまま:大役ですね。素晴らしいです。

司会:幸せお届け人のタスカジさんですね。

すずきよ:お1人お1人が、皆様がそれぞれの方のおうちの幸せ届け人にでございます!

ハウスキーパー・家事代行スタッフになる

司会:みなさんありがとうございました。新しい素敵なご縁を作っていくことや定期の依頼者さんといい関係を作っていくということ、依頼者さんと寄り添って希望をくみ取っていくことを積極的に行っていきたいというお話をいただきました。

また、健康のお話もありましたが、体と心と両方とも健康的にタスカジさんであることで、依頼者さんにも安心して安定したお仕事をお届けすることができるというのは本当そのとおりですね。タスカジのお仕事を継続するために健康や体調管理をしっかりやっていく必要がある、といったお話もいただきました。

これからお仕事を本格的に始める方も、ベテランの方で引き続き多くのご家庭をサポートされていく方もぜひご参考になるお話があれば幸いです。

今日はありがとうございました。

タスカジさんフェスに参加してくださった方々と記念撮影

タスカジ | Website | + posts

1時間1,500円からの家事代行マッチングサービス「タスカジ」運営

FacebookTwitterInstagram