ホーム > 家事の仕事 > 現役タスカジさんが悩み葛藤する中で見つけた、仕事への向き合い方とは 〜「楽しみながら成長して働くコツを聞く!」タスカジさんフェス2023 イベントレポート(後編)〜

現役タスカジさんが悩み葛藤する中で見つけた、仕事への向き合い方とは 〜「楽しみながら成長して働くコツを聞く!」タスカジさんフェス2023 イベントレポート(後編)〜

このレポートは2023年9月に開催された「タスカジさんフェス2023」内のコンテンツ「タスカジさんパネルディスカッション〜楽しみながら成長して働くコツを聞く!〜」の内容をまとめたものです。

今回はタスカジさんとして活躍されている、みけままさん(掃除)seaさん(整理収納)watchさん(料理)が、愛用アイテムや成長のターニングポイントになったことなど、家事代行の仕事に直接役立つ、タスカジさん必聴のお話をたくさんしていただきました。

イベントの模様を、前編・後編の2回に分けて公開しています。

イベントレポート前編:家事代行のプロが愛用アイテムから成長のターニングポイントまで大公開>>>

【登壇者】
・みけままさん:掃除タスカジさん、タスカジアンバサダー
・sea(しー)さん:整理収納タスカジさん、タスカジアンバサダー
・watchさん:料理タスカジさん、タスカジさんアワード2022 MVP

【司会】タスカジ事務局

ハウスキーパー・家事代行スタッフになる

成長のターニングポイントとなったこと(続き)

依頼者様に対するコミュニケーションの意識が変わった時

sea:私はタスカジ に登録する直前まで、見習いとして模様替えのコンサルティングの仕事をしていたのですが、当時は、事前のヒアリングが非常に苦手で、初対面の相手をどうリードして話を進めていけばいいのか、全くわかっていませんでした。

沈黙が怖くて間を埋めようと「引き出しが使いにくいんですか?入ってるモノに対して小さいからですよね。それから…」みたいに、自分ばっかりしゃべっていた気がします。立ち会ってくれた先輩からは「seaさんはいちいち『いいこと』を言おうとするけど、そういうのは全然いらないから」と指摘されてしまいました(笑)。

司会:タスカジさんの「コミュニケーション」の講師でもある現在のseaさんからは想像できないですね!

sea:そのような状態でタスカジの仕事をはじめたので、最初は非常に不安でした。

しかし、タスカジさんの仕事は前職と違い、3時間の中で手を動かして成果を出す仕事です。私にとっては、この環境がとてもよく作用して、「今何をすればいいのかは、依頼者様に聞かないとわからないじゃん」と初めて理解できた、スイッチが切り替わった出来事でしたね。

「今、この状態のお部屋で何に困っていますか…?」「どういうときに使いにくいと感じます…?もっとこういうふうに使いたいのに、みたいに感じられることは…?」と依頼者様に聞き、今私がやるべきことのヒントを引き出そうという気持ちになっていきました。

それからは、自分が何を話せばいいのかということは、全然気にならなくなったんです。これが、一つのターニングポイントでした。

ヒアリングの苦手意識も全くなくなり、仕事も面白くなっていきました。今考えると、昔は「依頼者からどうしたらプロっぽく見えるかな」など、自分の見え方ばかり気にしていて、相手を見ていなかったと思います。

みけまま:お掃除でも同じですが、依頼者さんがどうしたいのか聞き出すことは本当に大事ですよね。

整理収納のリピート依頼の受け方と心構え

みけまま:お掃除は日常的に行うものなので、定期でご依頼いただくことも多いのですが、定期的に訪問すると、細かなコミュニケーションをとりながら依頼者様を理解していくことができます。整理収納で定期的に伺うってあまりイメージが湧かないのですが、実際はどうされているのですか?

sea:整理収納でご縁が長く続くパターンはあります。大きく、2つあると思います。

一つは、訪問を重ねるごとに依頼者様自身で片づけができるようになり、整理収納のしくみづくりはいったん卒業、子供の入学時や生活のサイクルが大きく変わる際にまた呼んでいただけるケースです。

もう一つは、非常に片付けが苦手な方のケースです。こういったケースは定期や継続的なリピート依頼で長いお付き合いをしていくことがありますね。

タスカジの仕事には慣れてきましたが、新規のご依頼はいまだにドキドキします。訪問前は、メッセージの文体とか長さとか、ご要望のちょっとしたニュアンスのような、限られた情報・表面的な条件で何とか案件を想像しようとするじゃないですか。しかし、実際に伺うと、「メッセージでは固い印象を受けたけれど、実際は物腰柔らかな方だった」と、イメージが変わることもよくありますよね。ですから、最初の印象だけで判断しないことは重要です。

整理収納の実績、正解はひとつではない

sea:整理収納のお仕事の場合、プロとしてどのように実績を積み重ねていくかという葛藤もあると思います。

例えば、依頼者様の片づけスキルを上げて、リバウンドしない卒業生を送り出していくのが、わかりやすい実績です。

一方で、「片付けの習慣がなかなか定着しない」「訪問するたびにまるで振り出しに戻ったかのような状況」といったケースも一定数あり、思い描いた理想の整理収納が提供できない無力感や、終わりが見えないもどかしさを感じるケースもあると思います。

整理収納の教科書通りにいかなくても、現場で地道に依頼者様と向き合っていくなかで、「これもひとつの正解なんだ」と実感できること、そういう経験を積み重ねて、どんなご依頼にも柔軟に寄り添えるようになることも立派な実績だと思うんです。「スッキリした部屋」という成果だけが実績じゃない、と今は思っています。

司会:ありがとうございます。今のseaさんのお話は、これから整理収納の仕事を始める方や、新人タスカジさんにとっては、とても参考になったのではないでしょうか。

新たなご縁をつなぎ、成長するための新規依頼

sea:定期依頼といえば、お料理やお掃除は特にニーズが強いですよね。定期をどんどんお受けすると、あっという間にスケジュールが埋まると思うんです。新規のご依頼は、お受けになっているのですか?

watch:私の場合、新規のご依頼は、予定をこじあけてでも受けるようにしています。定期の方も、環境が変わり引っ越しされたり、定期をやめてスポットに変更されるたりすることもあると思うんですね。ですから、次につながる新しいご縁も大事にしていきたいなとの思いで、なるべく新規依頼を受けるようにしています。

みけまま:私も割合的にはおそらくwatchさんと同じぐらいで、定期依頼の方が多いです。そのなかで、watchさんもおっしゃっていたように、新しいご縁がないと自分も成長できないと思うんです。この前も新規でご依頼を受けたのですが、その方が他のご家族にも紹介してくださって、ご縁ってつながっていくんだなと感じました。ですから、こじ開けてでも新規を受けるというのは、確かに大事だと思います。

watch:こじ開けてでも入れてるんですけど、いまだに新規の案件は緊張します。前の日から、結構ドキドキしています。

sea:自分に言い聞かせている言葉はありますか?

みけまま:みなさん同じだと思いますが、「大丈夫、大丈夫。今までやってきたんだから大丈夫」って言い聞かせています。

watch:たくさんのタスカジさんの中から自分を選んでくれたので、「行かなきゃ」という気持ちでいます。

みけまま:聞いた話ですが、初めて依頼される方は多くのタスカジさんのページを比較しながら見たうえで、最終的に一人に決めてご予約してくださるそうです。それほど時間をかけて選ばれたからこそ、あらためて身の引き締まる想いになりますね。

sea:私も新規のご依頼は、ドキドキします。しかし「今までやってこれたんだから、きっと大丈夫」と、積み重ねてきた経験が支えにつながってくると信じています。ですから、コツコツと経験を積み重ねていくことが、まずは一番大事なのかなと考えています。

司会:依頼を受ける際はいろいろ気になることや心配事もあると思いますが、お三方のお話にあったようにチャレンジしてみることで新たなご縁につながるかもしれません。

ぜひ、みなさまにもトライしていただけたらなと思います。

プロも失敗する!?そこから学んだことは

ハウスクリーニング経験の習慣が仇となり失敗。依頼者様満足につながるポイントを学ぶ。

司会:最後に、みけままさんのエピソードもお聞きしてみたいです。

新人時代から、成長のターニングポイントとなった出来事はありますか。これから家事代行のお仕事を始めたいという方に対して何か伝えたいことがあれば伺いたいです。

みけまま:はい、あります。

デビューしたての頃に、比較的遠いエリアの方から浴室とキッチン掃除のご依頼をいただいたことがありました。しかし、交通費が高額になる私にわざわざお声がけかけいただいたにも関わらず、お風呂の掃除に2時間以上を費やしてしまい、キッチンがほとんど掃除できずに終わってしまったんです。

お風呂は個室の空間で、綺麗にしようとついつい深追いして掃除しがちな場所です。ハウスクリーニング時代には、お昼も食べず6時間も掃除をしていたこともあり、「汚れをできる限り残さない」という、ある意味マニュアル化された癖みたいなものがアダになってしまいました。

まず、ご依頼いただいた時点で、3時間で2カ所ということは、汚れが蓄積されていることが想像できたこと、さらには、現場を確認後、依頼者様と仕上がりについて認識のすり合わせをしたうえで作業を始めるべきだったな、と猛省しました。

結局、レビューでは「一箇所をきちんと仕上げていただきたい方には向いているタスカジさんです」とのお言葉をいただきました。嬉しい半面、「このままでは立ち行かないですよ」という深い意味も読み取れて、すごく言葉を噛み締めた記憶があります。

sea:ある意味「お風呂場にかける掃除時間は、もう少し短くてもよかったです」と書かれるよりも、心にグサッときますよね。

みけまま:本当にそうですね。レビューのコメントには実は深い意味があり、依頼者様も自分のレビューによってタスカジさんの評価が下がってしまうのではないかということを気にされていると思うんです。

ですから、成長するためには、言葉の裏を読み解くことが大事だなと思いました。依頼者様に気を使わせてもいけないですし、私自身も二度とこういう思いはしたくないです。今は、「そこまで手を出すと終わらないぞ」「また同じことやってるぞ」と、自分自身に言い聞かせながら作業するようにしています。

司会:家事代行では3時間の限られた時間の中で、依頼者様の満足ポイントを探して成果にむすびつける工夫が必要なお仕事ですよね。その中でとくに「事前ヒアリング」の役割はとても重要ですね。

失敗は誰にでもある。二度と同じミスをしないことが大事!

watch:お掃除タスカジさんとして大ベテランのみけままさんでも失敗するんだなと思って聞いていたのですが、失敗してしまったときはどのように乗り越えているのですか?

みけまま:失敗は、他にもたくさんしてきました。デビュー半年の頃に定期依頼でレンジフードの掃除をしていたのですが、換気扇の整流板が固定されたことをきちんと確認していなくて落下してしまったんです。留守宅だったため、依頼者様が気づいたのは翌日のことで、さらに私がその事実を知ったのが、その2週間後の次の依頼日の前日確認のやり取りのときでした。

依頼者様から話を聞いた時は、「こんなに時間が経ってしまっているし、どうしよう。私にできることはなんだろう」と、本当に頭が真っ白になりました。すぐ知人に工務店さんを紹介してもらい、翌日依頼者様のお宅に伺いました。誠心誠意、依頼者様と向き合った結果、その時は大変ありがたいことに、お許しいただけることになりました。

watch:これまでの信頼関係があってこその落とし所ですよね。

みけまま:おかげさまで依頼者様とは今でもご縁が続いていて、本当にありがたいです。個人事業主である以上、責任は最終的に自分にあるという覚悟を決めて仕事に臨んでいます。とはいえ、失敗は誰にでもあることで、二度と同じミスをしないことが大事です。そのためには、振り返りとミスを起こさないための対策を打つことも大事になります。

それから、作業に集中することはもちろん、精神面も含めた日頃の健康管理も非常に大事だなと思いますね。

sea:確かに体調不良で判断力が落ちると、そういった失敗につながるリスクはありますね。体調管理のお話を聞いて、睡眠時間をきちんと取ることも結構大事かなと思いました。

みけまま:本当にそのとおりです。

また、タスカジでは任意加入の「ワークサポートプラン」という損害補償保険つきのプランが用意されていて、私も今年の6月に加入しました。損害補償保険だけではなく、共済や福利厚生の特典もついており、安心して仕事に臨めるのでタスカジさんのお仕事にはお勧めです。

(参考)タスカジ、登録するフリーランスのハウスキーパーへ成長支援と共済を含む業界初のワークサポートプラン開始

司会:確かにどんなに気をつけていても、失敗してしまうということは誰しも起こりうることですね。お話にもあったように、日頃から信頼関係を構築するべく真摯にお仕事に取り組むことはもちろん、体調管理をして判断力を損なわないこと、事前に備えておくことが大事なのですね。

本日は、本当に素晴らしいお話をありがとうございました。

イベントレポート前編:家事代行のプロが愛用アイテムから成長のターニングポイントまで大公開>>

ハウスキーパー・家事代行スタッフになる

<登壇タスカジさん紹介>

・みけままさん(タスカジアンバサダー・掃除)
20年以上もの間、家事代行・ハウスクリーニングに携わり、経験を生かしたテクニックで家中の汚れをピカピカに。レビュー評価が圧倒的に高く、熟練の掃除ワザでリピーター続出。タスカジで講師としても活動している。テレビ・雑誌・WEBなど各種メディアにも多数出演し、生活に役立つ家事ワザを紹介している。『タスカジさんが教える最強の「家事ワザ」』(マガジンハウス)
プロフィールページ ​https://taskaji.jp/user/profile/8697

・seaさん(タスカジアンバサダー・整理収納)
20年以上にわたって個人宅の片づけや掃除を行い、これまでに片づけた家は6000軒以上。困りごとを抱えた多くの人々の悩みを解決してきた実績をもつ。テレビ番組に片づけのプロとしての出演多数。そのほか、コラム連載やメディア出演も多数経験。著書に、『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)、『タスカジseaさんの「リセット5分」の収納術』(主婦と生活社)。
プロフィールページ ​https://taskaji.jp/user/profile/2551

・watchさん(料理・作り置き)
2022年度タスカジさんアワード2022 MVP。「家事力は立派なスキル」の理念に共感し、タスカジを始める。「おうちご飯とコミュニケーションのプロ」を目指して努力してきた。定期のほとんどは3年以上継続中。
プロフィールページ ​https://taskaji.jp/user/profile/52087 

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