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私と家族の幸せのために。育休スクラ×タスカジ「育休中の今、始めよう!仕事と家庭の”両立先読み”準備セミナー」を開催

2022年7月21日(木)、育休スクラ×タスカジの共催イベント「育休中の今、始めよう!仕事と家庭の”両立先読み”準備セミナー」が、オンラインで開催されました。

育休中にキャリアを磨くオンラインスクール・育休スクラ事業責任者の小田木朝子氏と、タスカジ代表の和田が、両立期に起こりがちなつまずきポイントを対談した本イベント。 自身も育休と復帰、そして「両立期」を経験した両氏が、失敗談を交えて、“私に合った備え方”のヒントをワークショップ形式で伝えました。

「家庭」と「仕事」、両立期に起こりがちな“あるある”

小田木さん:今日の全体のテーマは、両立期に仕事と家庭で起こりがちなこと・起こりうることを予測して、自分に合った準備をしていくこと。このテーマを達成するために、「知る」「予測する」「備える」の3つのステップを用意しました。私は復帰後に「知っていたら心の準備ができたのに!」そう思うことがすごくありましたが、和田さんはいかがでしたか。

和田:友人たちから聞いて知識は十分にあったはずなのに、いざ当事者になると、「ここもか!」という落とし穴がいくつもありましたね。

小田木さん:「夫婦円満のために家事代行の力を借りたい」という声もいただいており、参加者のみなさんには家事代行への期待も強くありそうです。さっそく和田さん、タスカジのユーザーの声やご自身の体験も含めて、「家庭で起こることあるある」を聞かせてもらえますか。

和田:まず、「家事や育児の可視化ができない」こと。育休中に子育てをメインで担当してきたほうはタスクがわかっていても、それが“見える化”されていないために、いざ夫や親にサポートを頼んだとき「なかなか理解してくれない……」と悩んだり、「いちいち説明するのが面倒くさい」と感じてしまう話は、本当によく聞きます。

「赤ちゃんにミルクをあげる」「おむつを替える」といったわかりやすいタスクは周囲も対応しやすいのですが、それ以外に、保育園の持ちものの準備、おむつに名前を書く作業、おむつが切れそうなことを予測して1週間前に買い物に行っておくなど、目に見えないタスクもけっこうありますよね。それを洗い出して、必要な道具がどこに置かれているのか、どの順番で使うのか? などをリストにまとめておくと、両立期に周囲と子育て・家事のシェアがしやすくなると思います。

タスカジ流のタスクリスト・家事分担の可視化シートも公開中。どなたでも無料でダウンロードできます。
https://docs.google.com/presentation/d/1g1xVj6Ek2VwdfVLEjsWT5luplSZGxt4o0wc-6WNcY8E/edit#slide=id.g12302fcf47f_2_95

(2つ目の)「パートナーと対話できない」というのもよく聞きますね。もともとコミュニケーションの取りやすいパートナーシップのあった夫婦、心は繋がっていても言葉でのコミュニケーションが苦手な夫婦……関係性は多様なので一概には言えないのですが、少なくとも「子育てを一緒にしましょう」と約束をしたパートナーだと思うので、都度情報交換をするスタンスでいることや、「今仕事が忙しくて、子育てにパワーを割けない時期なんだ」のように、自分の状況をどんどん開示することは重要だと思います。

小田木さん:出産前にコミュニケーションが取れていても、仕事と家庭のやりくりで余裕がないなかで、対話が難しくなるケースもありますよね。

和田:そうですね。個人的におすすめなのは、夫婦で10年先、20年先の家族の形をたくさん話し合っておくこと。「老後資金どうする?」といった現実論ではなくて、「子どもが○歳になったとき、こんな生活がしていたいよね」「こんな生活憧れるよね」のような、家族にとってわくわくする未来のことです。そこに向かってどう調整していく? と思える“夢”は必要だと思います。

3つ目は、「ひとりで頑張ろうとしてしまう」こと。子育てと仕事の両立では、とにかく「目の前のタスクをどうこなすか」という視点に陥りがちです。大切なのはそれを自覚して、自分ひとりで抱え込まないように意識することです。とくに子どもは、お父さん・お母さんや家族が楽しそうに、幸せに暮らす姿を望んでいるもの。ひとりで頑張ってアウトプットを出すのが尊い、と思いがちですが、「自分が毎日幸せな気持ちでいることが一番尊いんだ」という視点に切り替えると、また動き方が違ってくると思います。

小田木さん:私は「仕事で起こることあるある」を3つ挙げました。そのひとつが「『時間がない』の壁」。私はもともと、仕事を気合いと根性で乗り切る、「必殺技は残業」のタイプでした。でも、これが決定的に通用しなくなるのが出産後なんですよね。物理的に仕事できる時間が減ることが、こんなにインパクトのあるものだとは思いませんでした。 2つ目の「『キャリア迷子』の壁」にもつながるんですけど、今振り返ると、当時の私の仕事のやりがいって、目の前の仕事を終わらせることによって得られる達成感と、それによって「なんとなくチームの役に立てている、と思える」ことだったんだなと。それが、残業という武器を封じられた瞬間、なんのために働いているのかわからない、仕事が楽しいと思えない、自分がチームの役に立っていると思えない……と、完全なるキャリア迷子になりました。その結果、「今までどおり働ける周りはずるい」という考えになり、チームから孤立する「『会社と握手できない』の壁」を経験しましたね。

タスクリストは“工程”に分ける。共有のコツも

和田:私も「『時間がない』の壁」は体感しました。事前にわかっていたにもかかわらず、いざ体験すると予想以上にしんどかった。とくに復帰直後の半年間は、「体制を立て直そう」と思ったところで子どもが保育園から風邪をもらってきて、それが自分にも移って体調をくずして……のくり返しで、そのうちに努力する気力もなくなっていきましたね。

小田木さん:誰も職場に迷惑をかけたいわけじゃないし、むしろ家庭も大事にしたい、仕事も頑張りたいと思ってやっているだけなのに、うまく回らないのはしんどいですよね。参加者のみなさんにも「私に起こりそうなあるある」をチャットに書き込んでもらいましたが、仕事の①「『時間がない』の壁」や③「『会社と握手できない』の壁」、家庭の①②③すべてという方が多いですね。「家事・育児のタスクの取捨選択が苦手」というコメントもあります。

和田:やはり、タスクをリスト化するのはおすすめです。家事って、頭の中で把握しているつもりでも、リスト化すると意外に「こんなのもあった!」というタスクが出てくるんですよね。それをまずは、自分にとって「楽しい家事」と「苦手な家事」に分けてみる。タスクは細かく工程に分けます。料理は好きでも、買いものや片づけは好きじゃない人だっていますよね。そのうえで、自分が苦手な工程はパートナーと分担、または家事代行に依頼するのも手です。

小田木さん:「タスクリストをつくって夫に見せたら、『詰め寄られてるみたいで嫌だ』と言われた」というコメントも来ています。おそらく、自分なりに工夫したうえでタスク共有に至ったのだけれど、そこまでのプロセスが相手には見えていなくて、相手が自分ごと化できなかったのかもしれませんね。

和田:そんな言い方しなくても……と思う一方で、タスクを抱え込んでいる人に突然「助けて!」と来られたら、そんなに背負えないよ、とプレッシャーに感じてしまうのが人間だとも思います。そこでおすすめなのが、「○○に困っているからアドバイスしてほしい」「困っているんだけど、あなただったらどうする?」という伝え方です。「アドバイス」と「あなたならどうしますか?」という言葉は、やわらかく、でも自分の困りごとを伝えられて、相手も一生懸命考えてくれる魔法のフレーズ。私も復帰してからずっと多用しているので、ぜひ家庭だけじゃなく、会社でも使ってみてください。

育休中は「備える」絶好のチャンスタイム

小田木さん:最後に「備える」のステップとして、「家庭と仕事で起こることあるある」への着眼点を、私と和田さんで5つずつ挙げてみました。一部抜粋してご紹介します。

和田:たとえば、一つ目(①)の「思い込みから自由になろう」。女性はこうあるべき、男性はこうあるべき、母親はこう、父親はこう……私たちは無意識のうちに、いろいろな思い込みに縛られていると思うんですね。ただ、人間は発展していく生きもの。自分の親の世代とは違う、新しいライフスタイルや考え方を家族に取り入れて、次の世代に発展していくものだと思うので、みなさんも一度、「こうあるべき」だと思い込んでしまっていないか? を自分に問いかけてみてください。

これは私の経験談ですが、結婚してはじめての週末、朝起きたら夫に「今日の朝ご飯なに?」と聞かれたんです。私が朝食をつくる担当だと役割分担したわけでもないのに、一方的に。しかもそのときの私は、「やばい、朝ご飯の準備してない!」と思ったんですね。でもよく考えると、お互いに時間がある週末なら、朝食の準備は彼がやってもいい。それで思い直して、「先に起きたのであれば、コンビニで買ってきてもらえると嬉しい」と伝えて、買ってきてもらったんです(笑)。夫も夫で「言われてみればそうだね」と普通に買いに行ってくれました。こんなふうに、お互いに思い込みから解放される努力をしておくと、のちに役割分担でもめずに済むと思います。

小田木さん:チャットに共感のコメントがたくさん届いています。お互いに「思い込んでいたね」と気づき合って夫婦一緒に手放した、まさに素敵なエピソードですね。

私は⑦「仕事のやり方をアップデートしよう」について。両立期の圧倒的な時間不足は、もはや小手先のテクニックでなんとかできるレベルではありません。必要なのは、それまでひとりでやり遂げていた仕事を周りに発信して、連携して成果を出すやり方に変えること。そして、「チームの目標に対して自分が時間を割かなければいけないことは何か?」の目利き力を上げ、時間の使い方を抜本的に変えることです。そもそも、気合いと根性で乗り切る働き方を10年後もしていたいか?と問われると、多くの人が「ノー」と答えると思います。出産は私にとって、将来の自分のために働き方を変えるいいきっかけになりました。育休期間は、そのための「備え」をするチャンスタイムなんじゃないかな? というメッセージが伝わると嬉しいです。

私の幸せが、家族というチームの幸せをつくる

小田木さん:育休スクラは、組織で働く女性が、仕事のある人生を楽しむスキルを身につけるためのオンラインスクールです。特徴は、女性にとっても、組織にとっても有益なスキルであること。独りよがりにならず、組織の中で仲間と協調しながら活躍するために必要なビジネススキルが、育休中という短期間で身につきます。育休スクラが参加者のみなさんに提供するのは、実感できる“変化体験”です。継続的・体系的な学びの仕組みと、刺激あるコミュニティが、ひとりひとりの変化を確実なものにします。

和田:タスカジは、「家事の仕事をお願いしたい個人の方」と、「家事の仕事をしたい個人の方」が、インターネット上で出会って取引できるシェアリングエコノミーサービスです。 

特徴は1時間あたり1,500円から利用できること。かつ、ハウスキーパーも高い報酬を得られる仕組みになっています。安かろう悪かろうではなく、品質と安全性にこだわっており、「安いのに高品質」という評価をいただいています。

私たちが掲げるミッションのひとつは、「『核家族から拡大家族へ』家族の形を再定義する」こと。ライフスタイルが変化した今、「他人に家事をやってもらうのは悪いこと」という従来の価値観はアップデートしなくてはいけないと思っています。血縁でつながった家族だけではなく、外部のパートナーを招き入れて「拡大家族」をつくる考え方を、タスカジは提案していきます。

何のために仕事をし、タスクをこなしているのか。それは、家族というチームが幸せになるためですよね。家族の幸せは、私の犠牲のうえに成り立ってはいけない。私も家族も幸せになる、Win-⁠Winな落としどころを模索しつづけることが大切だと思っています。家族は自分が貢献しなくてはいけない場ではなくて、「共存して一緒に栄えていく場」なんだと意識して復帰に備えてもらえれば、見える選択肢が変わってくると私は思います。

登壇者プロフィール

育休スクラ 事業責任者 / 株式会社NOKIOO 取締役
小田木 朝子 氏

ウェブマーケティングの法人営業などを経て、NOKIOO創業メンバーとして参画。教育研修事業担当役員。
2020年、オンライン教育サービス『育休スクラ』を立ち上げ、経験学習による人材開発・オンラインを活用したキャリア開発とアクティブラーニングを法人・個人向けに提供。
グロービス経営大学院修了。
*育休スクラ:https://schoola.jp/ *VOICY『今日のワタシに効く両立サプリ』: https://voicy.jp/channel/1240

株式会社タスカジ
代表取締役 和田幸子

横浜国立大学経営学部卒業後、富士通に入社しシステムエンジニア、新規事業開発などを担当。
フルタイムワーキングマザーとしての課題認識に基づき、2013年に起業。家事代行マッチングサービス『タスカジ』を運営。
慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。
現在は、地方自治体や企業などとの新しい取り組みや、教育機関をはじめとした講演活動など、活動の幅を広げ、「核家族から拡大家族へ」を合言葉に日々奮闘中。
日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018「働き方改革サポート賞」受賞。
*家事代行マッチングサービス「タスカジ」: https://taskaji.jp
監修者 at 株式会社タスカジ | Website | + posts

株式会社タスカジの代表取締役。国内大手ITベンダーに入社。その後MBA(経営学修士)を取得。2013年に共働きの家庭における新しいライフスタイルを実現するため、起業。2014年に家事代行マッチングサービス「タスカジ」を開始し、2017年に日経BP社 日経DUAL「家事代行サービス企業ランキング」1位、「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018働き方改革サポート賞」を獲得。
多くの人が自分らしく生きる時間を増やせる社会を実現するため、一般家庭でも気軽に質の高い家事代行を利用できる仕組みを作るという想いで「タスカジ」を立ち上げた。

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