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知っておきたい!洗濯のりの成分はどっちを選ぶべき?天然VS合成

洗濯のりはその成分によって、天然のりと合成のりの2種類に大別できます。洗濯のりを選ぶ際には、事前に、天然と合成のそれぞれの成分の特長をよく把握しておくことが大切です。というわけで、今回は、洗濯のりの天然と合成、それぞれの成分の主な特長についてご紹介します。

■洗濯のりの用途とは?

洗濯のりは、衣類をパリッと仕上げてハリを持たせたり、衣類の型くずれや防止したりするために使われるものです。 また、洗濯のりには、衣類をコーティングする働きがあるため、衣類に汚れがつきにくくするために使うこともできます。

例えば、ワイシャツは、自宅で洗濯しても思うように仕上らないという理由から、毎回クリーニングに出しているというご家庭も少なくないのではないでしょうか?

しかし、洗濯のりを上手に使いこなすことさえできれば、アイロンをかけなくても、シワや型くずれを防ぐことができ、シャキっと仕上げることが十分に可能です。しかも、目立ちやすい襟まわりの汚れを防いでもらうこともできますよ。このように、クリーニングに出した場合とほぼ同じような仕上りが望めます。ワイシャツを毎回クリーニングに出していた場合は、クリーニング代の大幅な節約にもつながります。

さらに、何度も着て、少しくたびれてしまった衣類に、洗濯のりを使うと、おろしたてのようなハリをよみがえらせることができます。ヨレヨレのシーツもパリッとよみがえらせることができます。

?■天然のりの成分について

天然のりの主成分は、デンプンです。ハリが出て、パリッとした仕上がりになるのが最大の特長です。文字通り天然の成分でできているので、お肌に優しい点も見逃せません。ふすまや障子の貼り替えにも使用できる点もうれしいですね。くたびれたワイシャツやシーツ、浴衣などの仕上がりをパリッとさせたい時には、天然のりを選ぶようにされるとよいでしょう。

ただ、効果が長続きしない、洗濯機で使用できずのり付け作業が面倒、天然の成分のため、時間が経つと中身が変質しやすい、のり付けした状態で長期保管すると、虫食いや腐食しやすいなどの難点があります。

■合成のりの成分について

合成のりの成分は、加工デンプン、カルボキシメチルセルロース(CMC) ポリ酢酸ビニル(PVAc)、 ポリビニルアルコール(PVA)、 耐熱性ポリマーなどがあります。

それぞれの成分の主な特徴は以下の通りです。

・加工でんぷん

天然のりの成分であるでんぷんを化学処理して加工されたものです。スプレータイプの合成のりの主成分としてよく用いられています。

・カルボキシメチルセルロース(CMC)

パルプを原料に化学合成して作られた成分です。食品添加物としても使用されていて、比較的安全で、環境にも優しいという特長があります。粉末タイプと液体タイプの合成のりの主成分として用いられています。

のり付けに加え、汚れ落ちもよくなります。ただ色柄ものはムラになりやすく、色柄物ののり付けには適しません。

?・ポリ酢酸ビニル(PVAc)

乳液状の合成のりの主成分として用いられています。洗濯機で使用できる点と柔軟剤と併用できる点が、最大の特長です。シーツなどの大物の、のりづけも洗濯機でできるため、その点は便利です。

ただ、のり落ちがあまりよくない点が難点といえそうです。

?・ポリビニルアルコール(PVA)

粉末タイプと液状タイプの合成のりの主成分です。 特長は、ポリ酢酸ビニル(PVAc)とよく似ていますが、こちらの方が、しわになりにくく、どんな衣類にも使用できる点が優れているといえるでしょう。

・耐熱性ポリマー

アイロンがけ用のスプレータイプの合成のりの主成分です。霧吹き代わりに使える点がうれしいですね。

■では、天然VS合成どっちを選ぶべき?

安全性を重視したい、環境に配慮したい、肌が弱くて化学成分を使いたくない、特にパリッと仕上げたい場合は、天然のりを選ぶべきでしょう。手軽に簡単にのり付けしたい場合は、洗濯機でのりづけができるポリビニルアルコール(PVA)が主成分の合成のりが適しているといえそうです。

どちらを選ぶというよりは、仕上がり具合や用途、使い勝手に合わせて、それぞれの成分のよさを最大限に活かせるような使い分けることが理想です。

■洗濯のりの作り方

天然の洗濯のりの主成分は、デンプンなので、片栗粉やコーンスターチを使って、洗濯のりを手作りすることもできます。手作りの洗濯のりは、市販品のように添加物を使うこともないため、安心して使用できる点が最大の魅力といえるでしょう。

洗濯のりの作り方の手順は以下の通りです。

用意するもの

片栗粉あるいはコーンスターチ 大さじ1

水2カップ

作り方の手順

1.鍋に水2カップと片栗粉(コーンスターチ)を入れて火にかけます。

2.火加減を調節しながら、ダマにならないようによくかき混ぜます。

3.透明になりかけたら火を弱め、さらによくかき混ぜ、完全に透明になったら火を止め、粗熱をとれば出来上がりです。この分量で、シーツ1枚程度ののりづけが可能です。

なお、手作りした洗濯のりは、日持ちがしないため、できればその都度使い切るようにすると安心です。

また、衣替えなど、長期間保管する衣類への使用はNGです。これは、市販の天然の成分でできた洗濯のりと同じ理由で、保管中にカビや虫食いを招く怖れあるためです。

■洗濯のりの使い方

洗濯のりの使い方は、通常は、、洗濯のりを水で薄めたものに洗濯が終わった後の衣類を、衣類を漬け込み、そのまましばらく時間を置いたあと、軽く脱水するだけと至って簡単です。ただ、市販品の洗濯のりの場合は、それぞれの製品によって異なることもあるため、詳細についてはそれぞれの製品のパッケージに記載されている使い方を確認されると安心です。

使い方は簡単ですが、漬け込む衣類の生地の厚さなどによって、洗濯のりの量や漬け込む時間などの調整が必要になってきます。のりづけしたい衣類が多い場合は、洗濯機を使うと便利です。少量の場合は、洗面器の使用が適しています。

洗濯機を使ってのり付けする場合は、一度軽くすすいでから、短めに脱水しましょう。あまり長い間脱水するとシワになるので、その点は要注意です。

洗面器などを使う場合も、脱水だけ洗濯機を使用すると便利です。その場合も脱水はごく短めにしましょう。

最近は、アイロンがけの際に使用するスプレータイプの洗濯のりもあります。襟や袖口など、のり付けさせたい部分に直接スプレーしてアイロンをかけるだけと、こちらの使い方も簡単です。

おわりに

なお、洗濯のりの天然の成分であるデンプンは、片栗粉や小麦粉の成分でもあるためそれらを使って自家製の洗濯の理を作ることもできます。水2カップに大さじ1杯程度の片栗粉または小麦粉を加えて火にかけ、よくかきまぜながら、火加減を調節しつつ透明になるまで煮込めば出来上がりです。日持ちしないので使い切る必要がありますが、完全無添加で最も安全に使用できる点が魅力です。

ライター;sion

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