鍋ものの機会が多い冬場に重宝する土鍋。お手入れや収納方法を間違えると、寿命を縮め使えなくなる怖れがあるので気をつけましょう。ただ、どうやってお手入れしたり収納したりすればよいのか、よくわからないという方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、土鍋の正しいお手入れと収納方法をご紹介します。
■土鍋は最初に使う前にお手入れが必要
実は土鍋は、最初に使う前に、「目止め」と呼ばれる、土鍋特有のお手入れが必要になります。このお手入れを怠って、いきなり使い始めると、食材が土臭くなります。また、土鍋がひび割れたり、臭いがしみついたりする怖れもあります。
焼き物である土鍋には、肉眼ではよくわからない程度の小さな穴が無数に空いています。「目止め」というお手入れは、その無数の穴を塞ぐために必要な作業なのです。
目止めによるお手入れの方法は、いくつかあります。最も簡単でシンプルな方法は、お粥を炊くという方法です。やり方も、土鍋を洗ってよく乾燥させた後、土鍋の8割程度の水を入れ、そこに茶椀一杯分のごはんを加えて、弱火でおかゆを炊いてから、火を止めてそのまま1時間程度放置するだけでOKです。
あとは、お粥を別の器に移して、水洗いしてよく乾かします。ただ、土鍋によってはこのお手入れが必要ない場合もあります。基本的に空焚きができる土鍋は必要ありません。
また、土鍋の表面が細かくひび割れることがありますが、これは貫入と呼ばれて、使用上特に問題のないひびのようです。
■土鍋の正しいお手入れ方法
1使用後はよく冷ましてから洗う
使用後、よく冷ましてから、食器洗い用の中性洗剤で洗います。熱いままいきなり冷水をかけると割れる怖れがあるので要注意です。同様に熱い状態で、急に冷たい場所に置くのもNGです。
食べ残しは速やかに土鍋から移しておきましょう。そのまま放置すると、煮汁が土鍋に込んで、土鍋が臭う原因になります。
?2.洗った後は逆さまにしてよく乾かす
使用後は洗ってよく乾かすことがお手入れとしてかかせません、ただ。底面は水を含みやすく乾きにくいという特徴があります。そのため、洗った後は、土鍋を逆さまにして底面を上にした方が、よく乾きます。お手入れのコツとしてぜひ押さえておきましょう。
3臭いが気になる場合は.お茶がらを使う
土鍋の臭いが気になる場合は、お茶がらを使用すればとりやすいです。土鍋に緑茶やほうじ茶のお茶がら(ひとつかみ程度)と、たっぷりの水を入れ、10分ほどに煮立てます。お茶に含まれる消臭成分が臭いを吸着してくれるので、スッキリと取り除くことが可能です。
カビ臭い場合は、緑茶の代わりにお酢(大さじ3程度)を加えて、10分ほど煮立ててみましょう。
4.目立つひび割れは、目止めを
ひび割れが目立ってきた場合は、再び、使用前と同じ要領で、目止めを行って、ひびを塞いでおく必要があります。
■土鍋の正しい収納方法
土鍋は、通常の鍋のように、洗ってから布巾などで拭いた後、すぐに収納することができません。他の鍋と違い、土鍋は、吸水性が高いため、ただ拭いただけでは、十分に乾かすことが難しいためです。
十分に乾かすためには、洗ってから布巾で拭いた後、逆さまにして底面を上にした状態で、風通しのよい場所にしばらく置く、という作業を加える必要があります。 しばらく使わない場合は、新聞紙でくるみ、湿気の少ない場所に収納しておきましょう。
おわりに
いかがでしたか?土鍋の正しいお手入れや収納方法については、ご理解いただけたでしょうか?どれも簡単にできるので、土鍋を快適に末永く愛用するために、ぜひ心がけていただければと思います。
ライター:sion