豚肉の選び方は、牛肉や鶏肉に比べると、比較的容易にポイントを押さえことができるようです。ただ、豚肉に関しては、美味しさだけでなくやはり安全面も気をつけることが大切になります。その点を踏まえながら、知っておきたい豚肉の選び方についてご紹介します。
■見た目をチェック
豚肉の味は、脂肪で決まると、いわれるくらい、豚肉の脂肪は、味のよしあしに密接に関係しています。脂肪は、光沢のある乳白色では、赤身との境目がはっきりとしているものを選びましょう。脂肪の色が黄みがかっているものは、肉質が落ちているので避けましょう。
また豚肉の色は、やや灰色がかった淡いピンク色のものがベストです。逆に灰色の強すぎるものは、鮮度が落ちている証拠なので避けた方が安心です。
さらにドリップ(トレーなどにたまる赤い液体)が出ていないかどうかも外せないチェックポイントです。トリップには肉のうまみ成分が含まれるので、それが流出してしまっているということは、鮮度に加え、明らかに味も落ちているということになります。
■品種をチェック
市場に流通している豚肉の大半は、ランドレース種、大ヨークシャー種(デュロック種バークシャー種、ハンプシャー種、中ヨークシャー種など、いくつかの品種の豚を交配させた「雑種」になります。
雑種ではない純粋な豚肉は、バークシャー種の「黒豚」のみです。雑種の豚肉よりも、肉質がよいということでブランド豚に分類されます。
雑種の豚では、異なる三種の豚をかけ合わせて作る三元豚が最も多く流通しています。普段よく食べている豚肉は、ランドレース種×大ヨークシャー種×デュロック種の組み合わせになるようです。さらに、四種や五種の豚を掛け合わせて作る四元豚や五元豚もあります。
ただ、たとえ品種が同じであっても、飼育環境や与えられたエサによって、肉質や味が大きく異なってくるようです。
パッケージなどに、飼育環境やエサに関する情報が記載されていれば、そちらを参考にして選ぶようにすると安心です。通常、ブランド豚や銘柄豚と呼ばれている豚は、飼育環境やエサに関する情報が記載されている場合が多くなります。これらの豚は、地域の特色を生かし、独自の飼育方法や、与えるエサなどにも、こだわって生産されていようです。
■安全面をチェック
安全かどうかについては、市場に流通している時点で、すでに食品衛生法などに基づく国の厳しいチェック(残留農薬や抗菌物質の肉への残留など)をクリアしているものばかりだと考えられます。そのため、新鮮であれば安全性については、まず問題ないと考えてよさそうです。つまり、美味しい豚の基準を満たしている限りは、新鮮で、安全であるということになります。
逆に、美味しい豚の基準を満たしていない鮮度の悪い豚肉は、流通後に、細菌に感染しているリスクも高くなるため、そういった点でも避けた方が安心です。もちろん十分に火を通して食べれば食べられないというわけではありません。
抗菌物質の肉への残留が、どうしても心配な場合は、最初から抗菌性物質を使う必要のない、無菌状態で飼育された「SPF豚」を選ぶという方法も一案です。
おわりに
豚肉の選び方についてご理解いただけたでしょうか?最後に、どんなに安全で美味しい豚肉を選ぶことができたとしても、十分に加熱する必要があります。これは、加熱が不十分ですと、E型肝炎ウイルスや、サルモネラなどの細菌や寄生虫による食中毒の危険があるからです。必ず十分に加熱する。それこそが、安全面に対して最も気をつけたいことになります。
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