働き方や家族の在り方が多様化する現在、全国の様々な地域で家事代行のニーズが高まっています。家事代行マッチングサービスのタスカジは、2023年1月、これまでの関東・関西に加えて、新たに福岡市と近郊でもサービスを開始しました。
ニーズはあるとはいえ、まだまだ家事代行に対して、「どんなことしてもらうんだろう?」「なんかハードルが高そう」と感じる方がいるのも事実です。今回の記事では、整理収納のタスカジさん(※)として福岡市で活動する収納はるはるさんに、依頼者様のお宅ではどのような作業をしているのか、具体的に整理収納のどういったご相談に対応できるのかについてお聞きしました。
(※:タスカジさん=タスカジに登録しているハウスキーパーの呼称)
家事代行マッチングサービス「タスカジ」なら、1時間1,500円からクローゼットやキッチン収納など家の片付けを家事のプロに依頼することができます。依頼の予約はWEBやアプリから手軽にできますので、ぜひお試しください。
家族や友人のクチコミから評判が広がり、整理収納を仕事にしていった
――収納はるはるさんのタスカジでのお仕事内容とご経歴を教えてください。
タスカジで整理収納のご依頼をお受けしている、収納はるはると申します。看護師として10年ほど働いたあと、整理収納を仕事にするようになりました。タスカジに登録する前は家族・友人・知り合いの整理収納を個人で受けていて、キャリアでいえば2年ほど続けています。もっと多くの方のお役に立つため、整理収納の実践を通して勉強を重ねたいと思っていたところにタスカジの存在を知り、ぜひやってみたいと思って登録しました。
――整理収納に興味を持ったきっかけは何ですか。
無意識で物を片付けている癖が昔からあり、お世話になっている方から「それを仕事にしたらいい」と言われていました。そんなときに身の周りで引っ越しが2〜3件ほど重なり、整理収納のアドバイスをしたところ「やっぱりこの仕事が向いているよ」と言われたのがきっかけです。そこから友人や知り合いにも輪が広がって、ご依頼が増えていきました。
――なるほど、最初は身近な方のお引越しがキャリアのスタートだったのですね。
はい。引っ越し前の荷詰めはもちろん、いるもの・いらないものを仕分ける作業も含めた整理収納の依頼もありました。引っ越しは荷詰めが本当に大切で、荷詰めの段階で不要なものが仕分けられたら、引越し後の作業が格段にやりやすくなります。何も考えず「とりあえずダンボールに詰めよう」とすると、不要なものが混ざった状態なので、荷解きが本当に大変なんです。中には途中で荷解きが苦痛になり、ずっとダンボールが開かないまま保管してしまう場合もあります。そうならないよう、引っ越し前から新居での生活を考えた整理収納のアドバイスを心がけています。
どこから片付けるか迷ったら、まずはクローゼットがおすすめ
――収納はるはるさんの依頼者様はどういった方が多いですか。
ご家族構成は様々で、お子様がいらっしゃる共働きのご家庭、単身の方、すでにお子様が独立されたご夫婦の場合もあります。私の依頼者様のタイプは、大きく分けて2つです。一つ目のタイプは、日頃から「片付けなきゃ」と思っていて、整理収納の本を買ったり色々な情報を仕入れているものの、いざ取りかかろうとするとエネルギーが足りず片付けまで行き届かない方。もう一つのタイプは、小さなお子様がいるため家が常に散らかっている状態で、片付かないループにはまってしまっている方です。
――お家の中で特に整理収納のご依頼が多い場所はどこでしょうか。
毎日使うキッチンのご要望が多く、その次がクローゼットです。どちらも、整理して使いやすくしたいというお声をいただきます。
片付けの順番で言えば、私はクローゼットを最初に作業することをおすすめしています。なぜならキッチンに比べて、大切に残したい物の判別がしやすいからです。
キッチン周りには色々な便利グッズがあって、使っていないけど「今後使うかもしれない」ものが結構あります。
でも洋服は迷いが比較的少ないので、まず「これはもう卒業しよう」という感覚をつかんでいただいています。
--捨てるかどうか悩むよりも、残したいものが判断しやすい所から整理していけば、ご依頼者様の判断力が磨かれますね。
はい。クローゼットで物に対する気持ちの整理ができて、お見送りする感覚をつかんでもらったあと、他の場所でも同じことを繰り返していけば、更に感覚の精度が磨かれます。
もしお見送りすることに迷う依頼者様の場合は、その時の状況や様子に応じて「使うかもしれないな、と思う物は今後使うことはない事が多いです」とやんわりお伝えしています。
――自分一人では迷うものでも、優しく背中を押してもらえると助かる方も多いと思います。
そうですね。あくまでも強制はせず「私のこれまでの経験上、迷ったものは結局使わなかった方が多いですよ」と、過去の事例をお話して、依頼者様に決めていただきます。
自分だけの悩みではなかったと知っていただくと、依頼者様の罪悪感が減ります。
それでもやっぱり悩まれる場合は、次に私が訪問する時まで保留箱に入れることを提案します。今すぐ決断しなくても大丈夫だと伝えて、依頼者様にはその期間に向き合ってもらい、次にお見送りするか残すかを確認します。
依頼者様に伝えたいことは「大好きなものたちに囲まれている愛おしさ」と「片付けって簡単」
――収納はるはるさんが依頼者様にアドバイスをする際に大事にしていることは何ですか。
まずは1番に「大好きなものたちに囲まれている感覚」、そして2番目に「片付けが簡単な感覚」を感じてもらうことです。
『要らないもの探し』をして、お部屋(ご自宅)から出て行かせたいものに焦点を当てている方も、まだまだ多くいらっしゃいますし、昔の私も、そのうちの1人です。
でも本来は「好きだから手にしたい物」や「大切な人からもらった物」を、お部屋に迎えたはずです。
私のお片付けを通して「更に手を加えて大切にしたい」と思えるものだけを残して、人や物に愛おしさを感じてもらえる感覚をお伝えしております。
お役目を終えた物たちには「生まれ変わったら、また違う形で会おうね」と、大切な人をお見送りする気持ちで、愛を込めて卒業されます。
そうすると自然に、片付けって簡単♪という気持ちですすめられ、罪悪感や難しさは減っていきます。
日々の片付けが簡単と心から思えることで、依頼者様のライフスタイルを更に愉しく、愛おしさに包まれる中で過ごしてもらえるのです。
――片付けに気力や体力を奪われるのではなく、日頃から少しでもやる習慣がつくといいですよね。
そうなんです。片付けのコツが分かれば頭も使わないし、体力もさほど必要ありません。
自分の体に自然と染み込んでしまうのが一番いいので、そんな方が一人でも増えればいいなと思って仕事をしています。
依頼者様が軽やかに片付けられ、ご家族との時間やお仕事、模様替えやご旅行などの素敵なライフスタイルを愉しめることが目指す所であり、私の役目でもあります。
実は最初から「大好きなものたちに囲まれていたんだ」「片付けって簡単なんだ」ということをお伝えして、依頼者様の生活スタイルに最適な方法をご提案しております。
――依頼者様に「片付けって簡単」と思ってもらうために意識していることはありますか。
ご依頼をいただいたときは「今日はここまで片付けましょう」というゴールを決めています。
そのゴールの目安は私自身が「ここまでできそうかな」と思う基準より一つ下の段階に設定します。
そうすると、依頼者様が「意外と全部終わっちゃった」と片付けられる体験をしてもらい「片付けが苦手だ、と思い込んでいただけだった」「片付けのやり方を知らないだけだった」など、ご自身の知らない部分を発見してもらえたり、喜びを感じてもらえて、私まで嬉しく感じています。
もし余裕があったらここまで、という追加のゴールまでクリアできる時もあり、更に満足した様子が見受けられることも多いです。
どんなお部屋でも大丈夫!引け目を感じないで気軽にプロに頼ろう
――整理収納が終わったあと、依頼者様からどんな感想をいただくことが多いですか。
私は1枠(3時間)でご依頼いただくことが多いのですが、お話しながら片付けを進めると、あっという間に終わったとご感想をよく頂戴します。「最初は片付けていない部屋を見られるのが恥ずかしいと思っていたけど、どんどん作業していくうちに楽しみながらできました」と言っていただけると、とても励みになります。
――それは嬉しい言葉ですね。依頼者様の中には、部屋が散らかっていて恥ずかしい、申し訳ないと思う方も多く、タスカジさんに来てもらうまでの第一歩がなかなか踏み出しづらいという声もたくさん聞きます。収納はるはるさんはそれに対してどのように感じますか。
仕事としてこれまで数多くのお宅にお邪魔してきましたので、全く気にしません。例えば足の踏み場がないくらいに物が散らかっているお部屋(*1)だと、時間内に終わらないかもしれないと思う時はありますが、マイナスな気持ちは出てこないですね。
むしろ、時間かけてこのお部屋の片付けと向き合い情熱を燃やせるのは、ワクワクして嬉しいくらいで、イキイキした表情をしていると思います(笑)。ですから、お部屋の状態で引け目を感じずに、安心して頼っていただきたいです。
(*1)作業の実施が困難なほどの不衛生な環境の場合は、サービスの対象外となります。詳しくは下記をご確認ください。
タスカジ「安心安全のための禁止事項ガイドライン」の「D」
https://support.taskaji.jp/hc/ja/articles/12328930741657
――整理収納に関して、他にこんなこともできますというアピールポイントをお聞かせください。
キッチンやクローゼットの整理収納はもちろん、洗面所や納戸などの収納スペースについても何でもご相談いただけます。基本的に依頼者様と一緒に作業を進めていきますので、迷ったり困ったりすることがあれば気軽に声をかけていただきたいです。
お家の中の1ヶ所だけ、とりあえず片付けたい場合は単発でご対応いたします。
片付けたい場所が複数ある場合、または1ヶ所でも片付けた状態を維持したい場合は、定期的なご利用をおすすめ致します。約2週間ごとに呼んでいただくと、片付けたい気持ちが熱いうちに作業を進められるので効率が良いと思います。
一度、片付けたスペースであれば、依頼者様がご不在でもご対応しております。
また、物を捨てるよりも売ることをご希望であれば、1枠(3時間)の範囲内で、メルカリの出品をサポートすることも可能です。
ご家族の生活にマッチする整理収納を一緒につくりたい
――収納はるはるさんは依頼者様からのヒアリングを大事にしているそうですが、具体的にどんな内容を聞き取って作業に活かしますか。
依頼者様からはできる限り物の使用頻度や、誰がいつ・どんなときに使うのかなどをヒアリングしています。
ご家族の物に対しても、お子さんの身長や週に何回その道具を使うのかなど、必要に応じて細かいところまで情報をお伺いしています。例えば「棚の下の段はお子さんのスペースに、背が高いパートナーさんは棚の上の段、依頼者様の持ち物が多い場合は収納スペースを少し多めに確保しましょう」など、物の量・体格・年齢、さらに日々の動きも確認しながら収納する場所を決めます。
最終的に「こういう理由でここに片付けましたが、問題ないでしょうか」と確認し、修正があればその場で対応いたします。細かいことでもしっかり確認することは日頃から意識しています。
――事前のヒアリングに加え、作業中にも意見を聞いてもらえたら依頼者様にとって使いやすい収納が実現しそうです。整理収納のお仕事に対して感じることを教えてください。
私自身「こんなご提案でいいのかな」と思うことも、依頼者様から見れば求めている情報だったりするので、自分の中でアイディアがあればどんどんお伝えした方がいいんだなと感じています。
もう一つ感じることは、私が依頼者様のご自宅に伺うだけで、片付けたい意欲やエネルギーが高まるきっかけになると仰ってもらえているので「これからもどんどん皆様のお力になりたい、お役に立ちたい」と、私の役目だと思いました。
――最後に、これからタスカジの利用を検討している依頼者様へのメッセージをお願いします。
依頼者様の中には「家が片付かなくて恥ずかしい、家が散らかっていることに罪悪感がある」という方もまだまだ多くいらっしゃいます。
1日も早くその思いを解消するには、一人で悶々とせず、私たち整理収納のプロにご相談いただければと思います。
そうすれば軽やかで素敵なライフスタイルが送れるようになりますし、お見送りする物が迷う場合も、依頼者様の意思を尊重しながら片付けの習慣化に向けてアドバイスさせていただきます。
共働きのご家庭も多く、お仕事と家事に加えて片付けも完璧にするのは難しいことです。
私も含めた家事代行を取り入れていただき、お役に立てれば嬉しいです。
ぜひ快適なお部屋でイキイキと晴れやかな気持ちで、大切なご家族との時間やお仕事、模様替えやご旅行などの素敵なライフスタイルをお愉しみください。
――収納はるはるさんの丁寧なアドバイスでお部屋が片付いて、心地良い生活を送る人がもっと増えてほしいですね!本日はありがとうございました。
タスカジさんのお仕事にやりがいを持って取り組んでいらっしゃる収納はるはるさん。依頼者様のライフスタイルに徹底的に寄り添い、人や物に愛おしさを感じたり、片付けって簡単と思ってもらえることで、きっと依頼者様やご家族の気持ちも晴れやかにしてくれることでしょう。
この記事を読んで「どんな整理収納のタスカジさんがいるんだろう?」「私も悩みを相談してみたい」と思われた方は、ぜひタスカジのサイトをご覧ください。
(*1)タスカジの家事代行では、1枠は3時間の固定です。どうしても終わらない場合は、両者間で確認のもと、延長も可能です。整理収納では、休憩を挟んで2枠(6時間)で依頼される方もいらっしゃいます。
※作業内容・料金は、タスカジさんによって異なります。
<インタビューにご協力いただいたタスカジさん>
収納はるはるさん:https://taskaji.jp/user/profile/112921
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1時間1,500円からの家事代行マッチングサービス「タスカジ」運営