十分な事前準備で当日を迎えても、お家の広さや作業箇所の状態は実際にお伺いしてみないと分かりません。どのような状況でも、ご依頼箇所と、作業順序、時間配分を瞬時に判断し時間内に終えるために、依頼者様とのヒアリングは最も大切にしたい項目です。緊張は和らぎ、作業はスムーズに進み、より良い結果も期待できる「作業当日のヒアリング術」をご紹介します。
■ヒアリングのコツは「復唱」する
事前メッセージで確認していた作業箇所は、「本日は水回り中心で、時間があればリビング掃除でよろしいでしょうか?」と、必ず「復唱」して再確認します。声に出す事で、依頼者様への確認だけでなくタスカジさん自身への再確認にも繋がります。頭の中だけの確認よりも着実にインプットされますので、知っておいてほしいヒアリングのコツです。
■「作業箇所」を詳しく確認する
作業箇所を案内してもらい、「特に気になる汚れ」と「掃除道具と洗剤」の確認をします。ここに確認洩れがあると、作業途中で依頼者様に逐一確認する事になってしまい、時間ロスにも繋がってしまいます。ここで必ず確認しておきたい項目や、主な作業箇所での注意点をご説明します。
1.洗剤の残量を確認する
洗剤は、キッチン用、トイレ用、浴室用、リビング用等と、それぞれに成分も違い取扱いに注意が必要な物もありますが、様々な種類の洗剤をお持ちの方が多いです。それぞれ実際に手に取り、残量を確かめましょう。「補充しましょうか」はとても助かる一声です。
2.キッチン
換気扇掃除を加えるとキッチン掃除は約1時間はかかりますので、作業するかどうかを最初に確認し時間配分を判断します。気になる箇所として多いのが、コンロ回りの油ハネ、魚焼きグリル、電子レンジ回り、排水溝です。スポンジ類は用途で使い分けている場合があるので、スポンジの色や形は要確認です。排水溝のゴミ捨て用のビニール袋やゴミ箱の確認もします。
3.浴室・洗面所
気になる箇所として多いのが、浴室内の黒カビと、鏡のウロコ、排水溝等です。スポンジは浴槽用とその他の箇所で使い分けている場合もあるので必ず確認します。浴室や洗面所の排水溝の掃除には、古歯ブラシとゴミ用のビニール袋をお願いし、ゴミ箱も確認します。
4.トイレ
男子がいるお宅に多い壁や床周りの尿ハネ汚れ、ウォシュレットのノズルは、気になる箇所としてよく指示があります。また、トイレの換気扇は衣服から舞い上がるホコリが溜まりやすい箇所ですが、依頼者様が汚れに気づいていない場合が多いです。
5.リビング
小さなお子様がいるお宅では、食べこぼしの床汚れが気になっている方が多く、掃除箇所としてご要望も多い所です。床は拭き掃除も必要か確認します。充電式の掃除機は可動時間を、コード式はコンセント箇所を確認します。掃除機のゴミ捨て用のビニール袋の準備もお願いします。
■お勧めの作業チェックシート
新人タスカジさんには、このような作業シートを用意すると確認洩れもなくとても便利です。事前にメッセージで確認した内容をメモしておくのもお勧めです。
■優先順位を確認する
なるべく依頼者様のご都合に合わせた作業順序にするのがお勧めです。お子様がまだ寝ていたら、寝室と離れているキッチンを先に掃除するなど、臨機応変な順序を組み立て依頼者様に確認します。依頼者様はその間に済ませたい用事ができ、タスカジさんは作業が捗り、お互いに快適な3時間となります。
■抽象的な表現は具体的に言い換えて確認する
「全体的に」「ざっと拭くだけで」という表現で指示される事もありますが、「床は水拭きもしましょうか?」「隅まで拭きましょうか?」等と具体的な表現に言い換えて確認すると、
依頼者様のご要望が分かりやすく、作業途中で逐一確認する必要もなくなります。
■タスカジさんから提案しましょう
ヒアリングの時点で気づいた汚れや作業箇所は、「ここのカビ取りはしましょうか?」等と、タスカジさんから提案しましょう。特にタスカジ利用が初めての方は、どのように指示をしていいか分からない方もいます。積極的なヒアリングは好評価にも繋がります。
■疑問は早急に解決する
念入りなヒアリングが出来ても、作業の途中で不測の事態が訪れてしまうことは稀にあります。分からない事はすぐに確認して手早く解決しご要望通りの作業を目指しましょう。くれぐれも勝手な判断はご法度です。
おわりに
時間内に終えなければという緊張に押されてしまうと、ついついヒアリングを手早く済ませがちではありませんか?スムーズな作業でご要望以上の作業を達成出来るかどうかはヒアリング次第です。依頼者様も気づかなかった点をキャッチしやすくなり、あなたの掃除スキルはよりやり甲斐のあるクリエイティブな作業となる事は間違いありません。
ライター:初穂