3時のおやつ。なんて魅力的な言葉でしょう。
甘いケーキやクッキー、甘い物だけでなく、お煎餅も捨てがたい。
太りたくないから間食をしないという方も多いのではないでしょうか。
でも、子どもにとっては、おやつの意味合いは少し異なります。
外から帰ってきて早々に出る言葉が「ただいま、お腹空いた!何か食べるものない?」なんてこともしばしば。
成長期の食欲はとどまることを知りません。
子どもにとっておやつはごはん?
それもそのはず、子どもにとっておやつは食事の一環なのです。
子供の小さい胃では、一度の食事であまり量を食べられません。
それでもエネルギーは消費するし、成長のためにも充分な栄養が必要。
朝昼晩と三食食べるだけでは摂りきれない栄養素を、その合間におやつで補給するのです。
おやつで味覚を育てよう
おやつの時間は年齢によっても異なりますが、三食の間の時間ですから、基本的に10時と15時くらいが目安となります。
では、どのようなものを与えたら良いのでしょう?
市販のお菓子は手軽で魅力的ですが、小さい子どもには市販のクッキーやチョコレートは甘みが強すぎます。
ポテトチップスも脂質や塩分が気になります。
一度舌が味の濃いものに慣れてしまうと、薄い味では物足りなくなってしまい、結果として日常的に糖分や塩分の摂り過ぎにつながってしまいます。
子供の舌はすごい!
子どもの繊細な味覚は、素材そのものの味をしっかりと感じ取ることができます。
その昔、泥人参をいつも通り調理して出したら、娘が「いつもの人参と違って甘くておいしい!」と気がつき、驚いたことがあります。
そのくらい子どもの味覚は敏感なのです。是非その味覚を大事にしてあげたいですよね。
そのためにも、出来るだけ自然の味を楽しむことのできるおやつを選びましょう。
子どものおやつにぴったり
ふかしたお芋や果物、牛乳やおにぎり、チーズなど、タンパク質や炭水化物、ビタミンなど、不足しがちな栄養素を補えるような栄養価の高い物が最適です。
余裕があれば、簡単な手作りのおやつも自分で甘みの調整ができて安心です。
卵の味を感じるようなプリンや人参のたっぷり入ったケーキも良いですし、自分で好きなものをはさんで完成させるホットサンドやクレープもまた、楽しいおやつの時間を演出してくれます。
なんでもやってみたがるお年頃の子どもでしたら、一緒に作るのもおすすめ!
ただの卵や小麦粉がどんどん姿を変えていく様はまるで魔法のようで、子どもの食への関心を高めることにつながります。
何よりも、一緒に作って食べる楽しさは、大人になっても覚えているほど。
子どもが自分で型抜きしたクッキーを差し出してくれた時は、こちらも感動してしまいます。是非一度お試しください。
食事が中心であることを忘れずに
おいしいおやつは「もうちょっと」と欲しがる子も多いと思います。
でもあくまでもおやつは補食。後の食事に響かないよう、おやつの量は調整するのがよいでしょう。
子どものお気に入りのお皿に、お店のように1人分を盛り付けてあげましょう。子どもはそれを見て、これで全部なんだ、と自然と納得します。
あげる分だけ出し、残りは見えないところに片付けておくなど、けじめをつけやすくする工夫が大切です。
おやつを食べ過ぎて夕飯が食べられなくなり、ちゃんと食べないと今度からおやつはあげないよ!と叱ることになっては、せっかくの楽しかった時間が台無しになってしまいます。
そしてある程度量が決まってきたら、一緒に話し合いながらどのくらいお皿に出すのかを考えるのも、子どもが自分で判断するための練習になるかもしれません。
その量が多くて食事が進まなかった日は、ちょっとおやつが多かったね、明日は少し減らそうか、と少しずつ子どもが自分で正解を見つけられるようにお手伝いしてあげましょう。
いずれ友達の家に1人で遊びに行くようになった時、自分で考えて量を調整できるようになっていて欲しいなと思うのです。
おやつで育む生活習慣
食べ終わったらごちそうさまをしてお皿を片付け、歯磨きをする。その生活習慣を身につけるチャンスにもなります。
食べたらまた次の食事までひと遊び。牛乳を飲んだ後、太陽に当たることでビタミンDを生成してカルシウムを吸収できるように、外でしっかりと身体を動かすことで、摂取した栄養の吸収もよくなります。
おやつタイムを楽しもう
美味しく楽しく食べた思い出は、いつまでも残るものです。
慌ただしい日常の中で、笑顔になれるおやつを囲んで過ごす親子のかけがえのない時間は子どもの身体だけでなく心の栄養にもなります。
是非、毎日のおやつタイム、美味しく楽しくお過ごしください。
幼い頃から旅行好きの父に連れられ、世界各地の料理を食べ歩いた経験から、食に関する好奇心が人一倍旺盛。高校の授業で食品添加物について調べた時の衝撃から、できる限り添加物のない食品を求めるようになる。
一男一女の母となってその気持ちはより一層強くなり、手元にある材料で、無理せず楽しみながら続けられるような、自家製にこだわった食事作りを日々心掛けている。