家を片付けたいという理由は、実に人様々です。それに気が付いたのは、整理収納のご依頼者様のお宅に行くようになってから、お客様とお話ししている、つい最近です。
今の現状とは…
私の住まいは、結婚当時から10年以上住んでいる、都内のコンパクトなマンションです。 初めは夫と二人暮らしだった我が家も、気がつけば、こどもが3人に増えました。それと同時に人数分のモノも増え続けていきました。そして、収納=しまい込むといことに、徐々に限界を感じていきました。
私の住まいに対するの理想は『モノが少なく、片付いた部屋に暮すこと』なのに…なぜ…『いつもモノが散らかるのだろう?』という自分の中の矛盾に気がついた時がありました。
その3年前にリノベーションして、使いづらさなども、建築家と相談しながら、自分達の理想を形にもしていました。ですので、家に対しての不満が浮かぶたびに、お金をかけて、リノベーションしたり、引っ越しするのは、何か違うように感じていました。
(その後、整理収納アドバイザーの学びを経て今に至ります。)
お客様の中には、整理収納して片付けることの大切さは、よくわかってはいるが、ご自分のモノを買い方のクセに気づいている方は、少ないように思います。
“欠乏感”(けつぼうかん)という言葉をご存知でしょうか?
自分が今のままでは、不十分でどこか足りないと感じる心情です。
家に着る服が沢山あるのに、衝動買いでまた新しい服を買う、いざ自宅のクローゼットを開けると、入りきらないほどのお洋服がパンパンに詰まっている状態であるのは、服を購入した理由の裏に欠乏感があるからかもしれません。
かつて私も『こどもがいても、おしゃれなお母さんでいたい、そして周りからもそう思われたい!』という強い思いがありました。そして、流行の服やアクセサリーを次々購入した時期もありました。
自分の欠乏感が強ければ、強いほどその欲しいモノを手に入れないと生きていけないと感じて、執着も強くなるそうです。キャラ弁が流行っていた時に、やったことのない、毎日お弁当をつくるという不安から、『こども達の為に、頑張って可愛いお弁当をつくらなきゃいけない!』という不安や自ら加したプレッシャーで、お弁当ピックやカップや飾りや小さな型抜きを大量購入した事がありました。
今思うと、購入動機が不安や心配、自分の足りなさを補う為に、買い物をしていたと思います。
その後、お弁当に感しては毎日違うキャラ弁をバリエーション豊かに作る事は自分には向いてないという事に気がついくと共に、ちょっと意識して、夕飯のおかずを1.2品先にとっておいたり、時間のない時には、冷凍食品を使用するだけでも、充分乗り切っていけるし、キャラ弁じゃなくても、大丈夫だと気がつき、苦手な事をやらなくてもいいと、自分の中で折り合いをつけています。
そして、使わないキャラ弁グッズは手放すことができました。 誰しも、初めての事に不安はつきものだと、経験があるかもしれません。
そういう時、一度、心を落ち着かせる事も時に大切で、不安を乗り越える、自分の支えとなることも事実です。
ですが、購入してから1年使わなければその後使用する可能性は、極めて低いのです。お家にあるもので”今使っていないモノ”を購入した時『どんな気持ちで買ったのか』を思い出して、ひとつひとつ、モノと向き合ってみることは、自分の買い方のクセに気づくコツのひとつかもしれません。
おわりに
まずは、自分は既にもっている足りている自分に気づくことも大切です。
・ご飯を美味しく食べれる身体
・行きたい所に行ける身体
今既に持っているモノ・コトに目を向けてみてはいかがでしょうか?
ライター:こみゆき