IHやガス台の脇に、横幅15cm程で奥行60cm程のスペースがキッチンにはよくあります。このスペースは、調理中すぐに手が届くので、油、調味料、スパイスなど…ついものを置きたくなる場所。でも調理時の熱の影響で、高温になりがちなので、気づかぬうちに置いてあるものが、熱により変質してしまうことも!?キッチンの整理整頓の際、作り置きの際にも知って欲しい。このガス(IH)サイドに置いていいもの、ダメなものをご紹介します。
コンロ横ラックとは?設置されやすい場所と使われ方

↑こんなスペースのことです。
コンロ横スペースの最大の特徴は、調理中でもすぐに手が届く利便性にあります。そのため、調味料や調理器具など、さまざまな物を置きたくなる場所でもあります。
しかしこのスペースは本来、ガスコンロやIHから発生する熱が周囲に影響しないよう、また側面の壁との間に一定の距離を確保するため、安全面を考慮して設けられたものです。つまり、利便性が高い一方で、調理中は高温になりやすい注意すべき場所でもあるのです。
悩ましいガスサイド収納
薬を飲まなければ副作用の心配がいらないように、このガスサイドに何も物を置くことがなければ、心配もいりません。ですが、実際には、収納がたっぷりあるキッチンばかりではありませんし、日々の生活の中で、ものが成り行きで増えてしまい、気づけば「なんとなく」置いてしまっていることも。
だからこそ「置きたいけれど、置いていいのか?」と悩ましい気持ちになってしまうのかもしれません。
コンロ横ラックの危険性を判断する3つのポイント
キッチン収納は、「収納しすぎると動線が悪くなり、調理中に必要なものをすぐ取り出せない」という課題がある一方で、「出しっぱなしにすると見た目が雑然とし、衛生面や保存方法にも不安が残る」という側面もあります。
この相反する問題を踏まえ、使いやすさと安全性のバランスを取ることが重要です。実際に多くのご家庭を拝見すると、コンロ横(ガスサイド)に置かれている物は、大きく分けて次の2種類に分類できます。
・調理器具(菜箸、ヘラ、お玉 など)
・調味料類(醤油、みりん、酒、砂糖、塩、ボトル入りの乾燥ハーブ など)
そこで今回は、これら「調理器具」と「調味料類」を中心に、コンロ横ラックの危険性を判断するポイントを整理していきます。
コンロ横ラックで最優先すべきは安全性
キッチンに物が多いと、収納場所や調理中の動線を考えるうちに、「何をどこに置くべきか」で迷ってしまいがちです。そんなときこそ、一度立ち止まって「安全性と品質を最優先に考える」ことをおすすめします。その理由は、大きく分けて二つあります。
まず第一に、キッチンは火を扱う場所であり、事故を防ぐためにも安全の確保が何より重要です。特にコンロ周りは高温になりやすく、置く物によっては火災や劣化の原因になりかねません。
第二に、キッチンは口に入る食品や調味料を保管する場所でもあります。そのため、保存環境によって左右される「品質」への配慮が欠かせません。
たとえお気に入りの調味料や高価な食材であっても、ガスサイドに置いたままにすることで熱の影響を受け、風味や品質が落ちてしまえば、料理の味そのものを損なってしまいます。また、熱によって成分が変質した調味料は元に戻ることはなく、健康面への悪影響も否定できません。
安全性と品質の両面から考えても、コンロ横ラックでは「何を置くか」を慎重に判断することが大切なのです。
「絶対に置いてはダメなもの」を知る
□引火の恐れがあるもの
・チャッカマン、マッチ、ライター・キッチンペーパー・台拭き(乾くと引火の恐れあり)
・揚げ油の処理剤(紙製の吸い取るタイプ)・鍋つかみ(布製は特に)
・紙製のケースに入ったサランラップやアルミホイル
□変形の恐れがあるもの
・(非耐熱性の)プラスチック製の調理器具 例:ピーラー、ハサミなど
比較的安全とされるコンロ横ラックの収納物
コンロ横ラックに置く場合は、熱の影響を受けにくく、油はねがあってもすぐに洗い流せるものを選ぶことが基本です。具体的には、以下のようなアイテムが比較的安全とされています。
・耐熱性のある調理器具(ヘラ、菜箸 など)
・金属製やホーロー、磁器製のバット
・味見用の小皿
・吊り下げて使用するフライパン
いずれも熱や汚れに強く、衛生的に管理しやすいため、コンロ周りに置く収納物として適しています。
よく見かける「調味料、油、スパイス」類は?
実はガスサイドでよく見かけて、もっとも悩ましいのが「調味料、油、スパイス」類。品質に基づく保存仕分けは下記のようになります。
□(比較的高温でも影響されてない)常温保存
・ココナッツオイル
□(高温多湿を避けた)常温保存 15〜25℃
・胡麻油・乾燥ハーブ・オリーブオイル・米油・サラダ油・酢・ギー
□冷暗所保存
・みりん・砂糖・塩・はちみつ
□冷蔵庫保存
・醤油※・みそ・マヨネーズ・ソース・ケチャップ・オメガ3系オイル(亜麻仁油、荏胡麻油、紫蘇油など)※
※醤油やオメガ3系オイルなどで、常温保存が可能な特殊ボトルは除きます。
□野菜室保存
・生ハーブ
結論、ガスサイドに置いて良いものは?

調理器具では、すぐに引火したり、比較的熱に影響を受けたりしない性質のものを選べば置いても大丈夫。(油跳ねなど、まめに洗って清潔な状態を保つことは必要です。)
その反面、調味料類はその殆どが常温保存から冷凍保存。温度にすると常温保存は高くても15〜25℃までですから、調理中はそれ以上の高温になってしまうガスサイドには、置いてはダメなものとなります。(ココナッツオイルだけは、南国で生まれ愛用されているオイルのせいか、比較的酸化や温度には強く、ギリギリ、ガスサイドに置いても大丈夫な調味料とも言えます。)
日本のキッチンは、地域によっても、季節によっても、一年を通じての温度の上下があります。梅雨の影響で食中毒の発生件数が最も増える6月から夏場いっぱいは、特に、キッチン自体が高温または多湿になりがちなことを意識してガスサイドの使い方も気にしていけるといいですね。
調理中のガスサイドは…

ちなみに我が家のキッチンのガスサイドも、試行錯誤を経て、最低限の「置いていいもの」と「ある程度の作業スペース」を確保するようにしながら使っています。
木製のヘラや菜箸の入ったスタンドは奥に置き、長細いバットには調理中は、使った菜箸、味見スプーン、味見皿、スタンド式のフタなどを「ちょい置きするスペース」として活用。こうすることで、調理後には、使ったバットごと全て洗ってしまい、ガスサイドもササッと拭くと油跳ねなどもスッキリと落とせるので、料理も掃除も楽になっています。
おわりに
キッチンのスペースやデザイン、そして調理器具のボリュームなど、キッチンの数だけ様々。ですから、解決の方法も、メガネの度数のように人それぞれかもしれません。 色々試しながら、自分の納得いく形がみつかると「料理しやすい、片付けしやすい、清潔に保ちやすい……」など良いスパイラルが生まれ、料理を楽しい時間にしてくれます。
ライター:ふたば
