食事やおやつのときに飲む牛乳、コーヒーや紅茶に入れる牛乳、グラタンやケーキなど料理やお菓子作りに使う牛乳は何を使ってますか?
牛乳に含まれている成分によってさまざまな種類があるのです。
牛乳の成分
牛乳には成分の含有量によって6種類に分けられます。
牛乳
無脂乳固形分:8.0%以上
乳脂肪分:3.0%以上
細菌数(1ml中):5万以下
店頭でパックに「種類別牛乳」と明記されている牛乳です。牛から搾ったままの生乳を加熱殺菌したものになります。生乳100%の純粋な牛乳なので、水や他の原料は含まれていません。
特別牛乳
無脂乳固形分:8.5%以上
乳脂肪分:3.3%以上
細菌数(1ml中):5万以下
特別牛乳さく取処理業の許可を受けた施設で搾った生乳を処理して製造した牛乳で、牛乳より濃厚なのが特徴です。
成分調整牛乳
牛乳パックに「種類別 成分調整牛乳」と明記されている牛乳です。成分調整牛乳は、生乳から水分脂肪分、ミネラルなど乳成分の一部を取り除いて、成分を調整した牛乳です。成分を調整していますが原料は生乳のみで、水や他の原料は加えていません。
・低脂肪牛乳
無脂乳固形分:8.0%以上
乳脂肪分:0.5%以上1.5%以下
細菌数(1ml中):3万以下
生乳から乳脂肪分を減らし、低脂肪にした牛乳です。
・無脂肪牛乳
無脂乳固形分:8.0%以上
乳脂肪分:0.5%未満
細菌数(1ml中):5万以下
ほとんど全ての乳脂肪分を生乳から取り除いた牛乳です。
加工乳
無脂乳固形分:8.0%以上
細菌数(1ml中):5万以下
生乳にバターや脱脂粉乳などを加えて成分を調整したものです。ただし、加えて良い原料は乳製品と水に限ります。
乳飲料
乳固形分:3.0%以上
細菌数(1ml中)3万以下
牛乳や生乳を原料とし、乳製品以外のビタミンやカルシウム、鉄分や果汁などが加えられたタイプの牛乳です。コーヒー牛乳やいちごミルクなどをいいます。
牛乳=生乳のイメージを強く持たれている方が多いと思いますが、中には脂肪分や水分を調整していたり、乳製品以外の素材を加えた牛乳もあるのです。
牛乳の保管方法
牛乳を購入したら冷蔵庫で保管する方が多いのではないでしょうか?基本的に牛乳は10℃以下に冷却して保存します。しかし、中には常温で保存できる牛乳もあるのです。常温で保存できる牛乳のことをロングライフ牛乳(LL牛乳)といいます。聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
牛乳は通常、63℃〜65℃で30分以上加熱殺菌するか、またはこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌します。しかし、ロングライフ牛乳は超高温滅菌といって、130〜150℃で2〜6秒加熱して殺菌します。さらに、アセプティック容器という特殊な容器に無菌状態で充填することで、未開封であれば60日間常温での保存が可能になるのだとか。
コーヒーフレッシュの秘密
コーヒーをまろやかにしたい時、手軽に使えるのがコーヒーフレッシュです。開封すると牛乳のような白い液体が容器に入っており、コーヒーに入れるとクリーミーな味わいに変化します。牛乳の代わりとして使うことが多いですが、こちらは牛乳ではないのはご存知でしょうか?
コーヒーフレッシュは簡単にいうと、水と油を添加物によって牛乳のように仕立てたものなんですよ。
普段、牛乳として使っていたものも実は違っていたかもしれませんね。これを機に、購入するときは表示をチェックしてみてはいかがでしょうか。
ライター/影山奈々恵
管理栄養士×フォトグラファー×ライターとして幅広く活動。
ポートレートや料理をはじめ、イベント、ウェディングなど様々なジャンルの撮影では、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。