フライパンでの炒め油、天ぷらの揚げ油など、日々料理をする時に欠かせない調理用オイル。家族や自分の健康にもかかわる料理用オイル事情を、調理の観点からお伝えします。今回は、一般的なスーパーマーケットなどで手に入る、おすすめの加熱用オイル、米油とオリーブオイル編です。
■加熱用 オイルのおすすめポイント4つ
1.スーパーでいつでも買える
2.リーズナブルな価格帯で、普段使いしやすい
3.加熱時間が長くても、劣化しずらい
4.健康面でも安心
料理用オイルはブームもあり、百貨店や健康食品専門店などでは何十種類もの様々なオイルが購入できますが、今回は日常的にぜひ使って欲しい加熱用の料理オイル2種類をおすすめします。
■1.米油(こめあぶら)
米油はその名の通りお米からできた植物油です。オメガ6系と9系の間のオイルです。玄米を精米する時に発生する米ぬから作られています。香りにクセがないので、原料が米ですし、和食にとてもよく合います。
ビタミンEが豊富で「へたりにくい」
「へたりにくい」という言葉でその魅力を表現される米油は、揚げ油などにしても熱で質が変わりづらい。抗酸化作用をもつビタミンEが豊富なので、熱を加えても、酸化しづらく質も味にも影響が出づらいのです。
調理の面からすると和食を作る際にピッタリの油です。例えば、煮物を作る時に、もしもごま油のような味や香りの強い油を使ってしまうと、仕上がりにそのクセが残り、せっかくの出汁の風味が消えてしまったりしてしまいます。ですが米油であれば優しい香りで和食の食材や調味料の風味を決して邪魔しません。
価格もリーズナブルで常温保存OK
600gサイズで500円〜600円程度で購入できるので、初めて使う方でもチャレンジしやすい。保存中に空気による酸化には、気を付けなければなりません。開封後6週間で使い切るのがその目安となります。
大きい1�sサイズなどの方がもちろん割安ですが、消化するのに揚げ物ばかり、なんていうことにも?はじめて購入されるようなら200g〜600gサイズ程度がおすすめです。開封後、常温保存ができますが、高温になりやすいガスコンロの周辺などに置くのは避けましょう。
■2.オリーブオイル
原材料はオリーブの実の植物性のオイル。オメガ9系のオイルです。日本では、戦後の洋食の普及とともに家庭料理にも徐々に使われるようになり、いまではサラダ油についで普及率も高く馴染みのある油です。豊な香りで、イタリアンはもちろん、様々な洋食に合いやすい味わいです。
オレイン酸が主成分で悪玉コレステロールを減少させる
オレイン酸が主成分なので、酸化しにくのが特徴です。悪玉コレステロールを減少させることがわかっています。抗炎症の作用や体温保持効果も注目されています。
2種類あるオリーブオイル
オリーブオイルには2種類あり「エキストラバージンオリーブオイル」と「オリーブオイル」です。エキストラバージンオリーブオイルが一番搾りとなるので、繊細な香りが楽しめますが、加熱には不向きです。サラダなどの非加熱調理に使い、加熱調理に?はオリーブオイルを使いましょう。
二番搾り以降となるオリーブオイルも風味が豊かです。オイルベースのパスタソースを作る際には、フライパンの上で素材から出た煮汁とオイルを絡ませますが、オリーブオイルの独特の風味は、様々な素材と良く合うのでおいしいパスタソースに仕上がります。
深いコクのチーズ料理などにもオリーブオイルの風味は負けずに活かしてくれます。オリーブとトマトは相性が抜群ですから、イタリアのママンが作るようなトマトソース作りには、たっぷりのオリーブオイルが欠かせませんね。
オリーブオイルの保存方法は常温保存OK!日差し、冷凍庫NG
販売されているオリーブオイルのボトルには、紫外線などで質が落ちるのを防ぐために、通常日差しを遮る黒いものが使われます。
ご家庭によっては大きく割安なボトルで購入され、小さな透明ボトルに入れ替えてキッチンでご使用される場合もあります。(詰め替えの際に空気に触れるため、あまりおすすめではありませんが)その際には日差しの入る窓辺などを避け、引き出しの中など冷暗所で保存しましょう。
30度以上になるガスコンロ脇など高温になりやすい場所で長期保存をすると劣化します。また、夏場を含めて冷蔵庫保存はNGです。5度以下では結晶化しやすく繰り返すと香りが飛んでしまいます。
■おわりに
今キッチンにはどんな料理用オイルが、どんな風に使われて、保存されていますか?生姜焼きを作るのにも、トマトソースを作るのにも、欠かせない料理用オイル。上手に付き合う方法や選んで、おいしく安心な料理を作りたいですね。
ライター:ふたば