「色を食す」
と聞くと、どんなことがイメージされますか?
実は、カラフルなテーブルは、食材や料理をより美味しく見せ、食欲増進に繋がり、さらにはテーブルを囲む人たちの会話を弾ませるきっかけにもなるんです。
色味を揃えることは心身の健康に
彩りよく食べ物を摂取することは古から伝わる私たちの心身の健康に繋がる知恵です。
私たちは環境情報の多くを視覚から得ていると言われています。実際に、味や鮮度をその色合いから
判断したり、最近はダイエットメガネとして食欲を抑える青いメガネが商品化されたりしています。
食欲と食物の色の関係では、赤・橙・黄・緑といった色合いは自律神経の刺激により消化作用を助けることから食欲増進の色であり、青やグレーなどは逆に食欲を減退させる色です。
五味五色五法
和食の世界には「五味五色五法」という定式があります。甘味・辛味・塩味・苦味・酸味の味付けと、「青(緑)・赤・白・黒・黄」の色彩、「焼く・煮る・蒸す・揚げる・生」の調理法をさした言葉ですが、これらは古代中国の陰陽五行説に由来します。
「木・火・金・水・土」の五行に対応する五色の食材を組み合わせることで健康が保てるという考え方であり、五色をバランスよく使うことで美しく、美味しいカラーコーディネートが完成するのです。
今日の献立を考える時、ついつい茶色っぽくなりがちなお弁当づくりの参考にしてみては?
「1日30品目」を実践するのは難しくても、五色を意識することでかなり近づけるかもしれませんよ。
色別にみる食材のチカラ
<緑の食材>
体内のエネルギーバランスの調整、肝臓の働きを促し、疲労回復、免疫力強化が期待できる!
<赤い食材>
身体や臓器を作るエネルギー源であり、心臓の機能向上、冷えの解消、美肌作りが期待できる!
<白の食材>
脳へのエネルギー供給する重要な栄養素であり、肺機能や胃腸機能改善が期待できる!
<黒の食材>
脂質の代謝を上げたり、腎機能を高め排泄作用の強化、ダイエットやアンチエイジングが期待できる!
<黄の食材>
新陳代謝を促し、デトックス効果、消化器系の活性化が期待できる!
食材や料理の色の善し悪し、食欲に密接に関係するのが照明光の色です。せっかくの料理も青白い光色の昼光色の蛍光灯の下では、台無しです。そのもの「らしさ」が半減し、食欲は減退してしまいます。
ダイニングキッチンの光源を選ぶ時、電球色のような暖かみのある光色にすることは、食べ物を美味しそうに見せてくれる最高の演出法なんですよ。
記事/大原智子
株式会社brilliant-style 代表
カラーコンサルタント
個人クライアントに向けた色彩を活用したパーソナルブランディング、イメージコンサルティングの他、法人向け色彩教育、研修事業、色彩マーケティング、色彩設計提案などを行う。
また、大学、専門学校など教育機関にて色彩教育に従事する傍ら、講座・研修企画から教材開発などを手掛ける。
近年は、色彩事業のほか地方地域活性などにも目を向け、農家の生産品支援も行う。